南海トラフを気にしすぎて、あのときの恐怖をすっかり忘れていたという話

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災害の定番とは

災害と言えば防災と言えば、311のあれ以来、地震・津波が定番となっている。
そういえば阪神淡路の震災だって「大震災」だった。
さらに、30年以内に70%の確率で発生すると言われる南海トラフ地震。
しだいに大きくなっていく災害への意識。

いや、ちょっとまて。
われわれは今、オオゴトに目を向けすぎてはいないだろうか。
「30年以内に70%」なんて確率よりももっと頻繁に起こりうる災害を忘れてはいないか。軽視してはいないか。

例えば、現在九州に上陸する勢いで向かってきている強い台風5号・ルノー。
台風の大雨による水害はバカにできない。

備えるって、なにを?

いや実はね、かく言う私がそうなんですよ。

防災的な仕事をしているので、地震・津波に備える系の話に触れる機会が多いわけ。
備えれば備えるほどオオゴトになってきて、身近な災害をうっかり忘れてしまいがち。
台風接近に「十分注意して」と警鐘を鳴らされても、なにを備えたらいいのかしらポカーンみたいな感じだったわけですよ。

よみがえる記憶

福岡・大分が水害に遭ったのはつい先月のこと。
あのときの避難の様子の写真が新聞に載っていた。
山からの泥水が流れる道路を、支え合って歩く住人の姿。
木くずや土の混じったどろりとした濁流の中を、踏ん張りながら手を貸し合いながら歩いている姿。

これに似た体験を幼いころにしたというのを、すっかり忘れていた。

小学1年生ぐらいのころ、そのときに暮らしていた山奥が豪雨に見舞われた。
家の目の前を流れる川が濃いカフェオレ色になり、川へ降りるための階段がすっかり見えなくなるほどの水位になった。
川の向かいの山が崩れた。
家のうしろの山も崩れた。
飼っていたニワトリが土砂にのまれた。
近所の車がのまれた。
役場に避難するために乗せられた車は、川のようになった道路をゆっくり走った。

あー。
これらの記憶を、今の今まですっかり忘れていたよ。

そして今

この体験をしてから、うちの両親は災害に敏感になってしまった。

実家にはさまざまな防災グッズがあり、水害であれ地震であれ、かなり実用的だと思われる備えがしてある。
これらを見て育った私は、おかげさまで「玄関に避難リュックはデフォルトでしょ」ぐらいの意識でいる。
でもあのときの怖かった感じは忘れてたね。

私が現在暮らしている場所は、山の溜池が決壊したら2分で水にのまれると言われている場所だ。
小さいが、川もすぐそばにある。
まぁまぁヤバいのであった。

貴重品は2階に上げとくことにしよう。

喉元すぎればの会社

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