
フェリーで豊後水道を渡る。
盆暮れ正月にゴールデンウィーク、とかく人は移動したがる。
わざわざ値段の高いときに観光するのは本意ではないので、「連休、どうする?」なんて会話をなんとなく交わしつつも、なにも決めずにズルズルとその日を迎える。
行きたい気持ちがさほどでもないもんだから、話を詰めずにうやむやにしてしまう。
そしていつも、直前になってバタバタと決める。
8月13日の夜に「明日泊まれるとこ」を検索する。
ギリギリでもなんとかなるのを経験で知ってしまったので、こんなありさま。
「お盆は実家に帰るの?」とか「夏休みはどこかに行くの?」とか、8月の前半によく聞かれる。
そのたびに曖昧な返事しかできず、無計画が露呈する。
だけど前もって決める必要がないんだもん。
予約でいっぱいの人気店に行きたいわけでもなく、必ず泊まりたいという宿があるわけでもない。お盆は実家に帰省という習慣があるわけでもない。
そもそも、なにがなんでもどっかに行かなきゃ!と思っていない。
それでも出かける、その理由は「ノリ」。
お盆で言えば、徐々に濃くなる世間の帰省ムードが最高潮に達したとき。
なんにも計画のない自分と、浮かれムードの世の中に落差を感じて、「えぇい!私も出かけてやるぅ!」というなかばヤケクソな気分で動くことを決める。
締め切り間際だから、必然的に決定も行動も速くなる。
今回も、前日に思い立って、急いで手配。
パッと思い立って、ガーッと調べて、バーッと出かける。このスピードがオモシロイ。気分が高揚する。
だからギリギリまでグズグズ決めないでいるのかもしれない。
ハイシーズンの真っ最中にもかかわらず、条件の合う最安値を見つけてくる夫、スゴい。
こういうことなら、この人。