火の用心を担当する係。
それが防火管理者。
防火管理者の仕事は、消防計画を作ったり消防設備のメンテナンスを管理したりすること。
収容人数や避難経路に気を配ったりするのも仕事のうちだ。
そしてもちろん、消防訓練の実施も。
居眠りしながら受けた講習なのに、専門的な業務を担うことになるのはなかなか大変なことである。
ましてや消防訓練というイベントを企画・運営するなんて、よっぽど出たがりでなければやりたくないはず。
そんな防火管理者向けの、消防訓練のときに使えるネタをご紹介する。
これさえ覚えておけば、参加者に「へぇ!」と言われるトークができるのでメモっておこう。
3kg

消火器の中には3kgの消火薬剤が入っている。
一般的な消火器の中には、ピンク色をした細かい粉が詰まっている。
この粉末状の消火薬剤が、消火器の8分目ほどまで入っている。
粉の重量は、消火器1本につき3kg。
5kg
中身の粉は3kgとキッチリ決まっているが、外側はメーカーによって鉄やアルミなど材質の違いがあって一概に言えない。
粉末消火器の全体の重量はだいたい5㎏。
重くて運べないほどではないが、気軽に持ち運びしたくなるような重さでもない。
10年
【消防訓練によくある質問】
消火器の耐用年数はどれくらいですか?

昭和41年に製造された消火器。
ガス容器である消火器。
消防法では、製造から10年たった消火器は容器の検査をすることになっている。
実は、なにかと手間のかかるこの検査をやるよりも、新しい消火器に取り換えたほうが簡単だ。
というわけで、消火器の耐用年数は10年。
ちなみに住宅用消火器の場合は5年。
15秒
【消防訓練によくある質問】
消火器の粉はどれくらい出続けるんですか?
加圧タイプ消火器の場合、前述の3kgをすべて出し切ってしまうまで止まらない。
その時間はおよそ15秒。
逆に言うと、15秒以内で火を消さなければならない。
間に合うのか?
消火器はすこぶる消火能力の高い道具で(なにしろ消火専用だ)、てんぷら鍋の出火ぐらいだったら2秒で消せる。
初期消火には十分な余裕があるということだ。
20m
【消防訓練によくある質問】
消火器は何本ぐらい置いとけばいいんですか?
消火器の置き方にも決まりがある。
詳細な説明は省いて雑に言うと、20mおき。
ただし、この20mは直線距離ではない。
人が歩く距離で計測される。
だから、迷路のように入り組んだ場所では多くの消火器が必要になる。
どうせやるなら
防火管理者には、建物のオーナーや企業の社長や幹部、住宅なら理事長など、それなりに責任を負える人がなることが多い。
維持管理費の工面や火災事故の後始末までやるのだから当然である。
責任範囲を言い出したらキリがないが、ハッキリ言って大役だ。
そんな大役を引き受けてしまった防火管理者だが、どうせやるならホントに役に立つ仕事をしていただきたいのが私の勝手な希望。
というわけで、勝手な希望を叶えるために消防訓練のネタをご提供するしだい。