非常の場合はカバーを割って、中のツマミを廻して下さい
このブログの読者なら、こういうフレーズにはすっかりおなじみ感を持っているんではないだろうか。
このフレーズは、非常口のドアの鍵のカバーに書いてあるもの。
ホテルの非常ドアなんかでよく見かける。
常時非使用
便宜上、ふだんは施錠されている非常口。
むやみに開けられないように、ツマミ(サムターン)をガードしている。
要するに、「非常時以外はさわらないでください」というやつなんだが、さわるなと言われればさわりたくなるのが人情。
【あわせて読みたい、雑な心理学「ついやってしまう心理」】
ついやってしまいたくなるが、やった結果がどうなるかわからないものには手が出しづらい。
カバーを割ったらどうなるのだろう。
そうだ。
「やったらどうなるのか」がわかればいいのだ。
理屈が知りたい
結果を知りたいなら、まずはしくみから。
非常用カバーがどうなっているのか見てみよう。
「非常時以外はさわらないでください」と言われて腫れ物に触るような感覚でいたが、よく見ると実に単純なつくりになっている。
カップ状のアクリル製品、というだけだ。

ツマミ部分に取り付けられた台座にはめこむためのネジ溝がある。
「非常の場合はカバーを割って」の、割る部分はどこだ?
ちょっと拡大してみよう。

おや?
カバーとして手前に突き出している部分と、台座に固定された部分は、このちょっとした結合部でつながっているのだ。
手前の部分に力をかければ結合部が折れてツマミを廻せるようになる、ということなのか。
ナルホドー。
同じしくみ
ということは、あれと一緒だ。

純正「強く押す」。
「強く押す」の割れるしくみも非常用カバーと同じ。
「割れる」と言うよりは、「外れる」と言ったほうが正確かもしれない。
もう安心
なにが起こるかわからないがゆえに、さわることさえできないでいた非常用カバー。
「非常の場合はカバーを割って、中のツマミを廻して下さい」を割ったらどうなるのか。
手にケガをするのだろうか。
警報が鳴るのだろうか。
消防車が来るのだろうか。
セコムが駆けつけるのだろうか。
事情聴取のために任意同行、ということになるのだろうか。
今までさんざんおびえてきたけど、しくみさえわかってしまえばもう怖くない。
あの結合部さえ折らなければいいのだ。
ソーッとわるくらいなら平気なのだ。
万が一あの結合部が折れちゃったとしても、カバーを取り替えればいいのだ。

やらかした。
余談だが、非常用カバーは「強く押す」よりも高いのでご注意ください。
送料も高い。