突然だけど、トンネルは好きですか。
建物の消防設備
われらがイグジットの業務のひとつに、消防設備のメンテナンスというのがある。
これは、建物についてる消防関係のアレコレがイザというときにちゃんと動くように検査とお手入れをする仕事。
コンビニくらいの大きさの建物なら、なんかしらの消防設備がついている。
一軒家以外の建物はすべてと言っていい。
建物の大きさや使い道によって、必要な設備の種類や数が変わってくる。
余談だが、いつも決まったメンバーが気を引き締めて業務に勤しむ事業所と、不特定多数のお客さんが油断しきってデレデレとアレする風俗店ではつけるべき消防設備が段違い。
非常時の初動に大きな差が出るのだから当然である。
手が届きそうで届かない
さて。
トンネルにも消防設備がついている。
同じような設備がついているはずなんだけど、トンネルの方はまるっきりわからない。
ましてや高速道路のトンネルともなると、雲の上の存在だ。
ドライブ中にちょっと立ち寄って記念撮影なんて、気軽にできないところにもレア感がある。
どうやら建物とトンネルでは扱いが違うらしく、この道20年の夫も未経験。
トンネルの消防設備はどこが管理しているのか。
どうやって維持管理しているのか。
ものすごく気になるぅぅ。
憧れが目の前に
こうして私はかれこれ10年、高速道路のトンネルの消防設備にかなわぬ恋心みたいなものを抱えていた。
そしたら。
そしたら!
このたび、高速道路のトンネルの消防設備を点検していた人に出会うことができたのだ。
なんという僥倖。
ガツガツしてしまう
強く好きなものがある人はおわかりだろう。
憧れていたものがなんかの拍子にひょいと身近に舞い降りてきたときの、あの身悶えするような興奮を。
トンネル話を聞いたときの私がまさしくそれだった。
はしたなくも、高速道路のトンネルの消防設備を点検していた人にがっついてしまった。
「もうこの人を離さないぞ」みたいな気分になっている。