子どもがもらうお金
子どもが、よその人からお金をもらうことがある。
離れて暮らすバーチャンちで、お小遣い。
久しぶりに会う親戚から、お年玉。
親の知人だとかいう面識のない大人から、入学祝い。
そんなときにもらうお金の額は、子どもにとっては大金である。
思いがけないあぶく銭
わが家の子どもたちも、たまにそんなあぶく銭を手に入れる。
子どもたちは、もらったお金をさっそく使う。
駄菓子のまとめ買いやクレーンゲームの複数回チャレンジなど、ふだんはなかなか叶えられないちょっとした憧れを実現させる。
彼らはお金を使うことに罪悪感など持っていない。
「お金は投資するもの」と教えているので、彼らはお金を使うことでよくなる自分をイメージしている。
お金を使う楽しさを知っているのだろう。
だから、あぶく銭で豪遊する。
貯める教育
私が教わった理念は「お金は貯めるもの」だった。
お金はやむを得ず使うものであり、消費は可能な限り控える。
それが基本理念だった。
だから、よその人からもらうお小遣いは自動的に銀行口座行き。
使い道が思いつかないから、とりあえず貯める。
そうして母親から書かされるお礼状には、心のこもらない感謝の言葉と「貯金しました」という決算報告を書くのが常だった。
使い道のない貯蓄は、大人になったときにちょっと役に立った。
その代わり、私には「ほしいものはガマンする」という習性が身についた。
いや、正確には「身につけなければならなかった」だ。
よーく考えてから使う
お金については、とかく「よーく考える」ことを教えられた。
ほしいものがあれば、まずは「よーく考え」なければならない。
それが本当に必要なものなのかを「よーく考える」。
使っていいお金かどうかを「よーく考える」。
なんだこの「よーく考える」ってのは。
考えるべきは「なぜほしいのか」であり「手に入れるとどうなるのか」であり、「手に入れるにはどうすればいいのか」のはずだ。
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貯める思考から使う思考へ
商売と経済について極めて合理的な思考を持つ夫と付き合ううち、いつしか私の習性は変わっていった。
「ほしいものを手に入れるにはどうすればいいのか」へと。
さらに、自分の好きなことを突き詰めて発信する人のコミュニティに参加して、「手に入れるとどう(よく)なるのか」を考えるようになった。

好きなことを突き詰めている、かさこ塾の人たち。
同時に、自分の本質を探り出すことにかなりの時間を費やしている企業の活動を知って「なぜほしいのか」を掘り下げるようになった。

本質を探る研修。
そして、経営ゲームをやるようになって投資の意味を知った。
お金の価値とは
これらの経験を踏まえて、私は子どもたちに「お金は投資するもの」と教えている。
簡単に「金は使うもの」と言うときもある。
循環すればするほど、お金はその価値を発揮する。
お金が生み出す価値を最大限に引き出すためにこそ、「よーく考える」のだ。
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お小遣いの価値
よその人からもらうお小遣い。
これが濡れ手に泡の金銭であっては、使いかたが雑になってしまう。
これをあぶく銭にしてはならぬ。
ちょっと君たち。
今回どうしてこんな大金が手に入ったと思うかね。
それは、君たちに価値があるからではないだろうか。
不思議なことに、子どもは子どもというだけで価値がある。
しかもその子どもが、自分の親戚筋(あるいは知人つながり)だという親近感。
そして、会いに来てくれた、元気な姿を見せてくれた、一緒に楽しい時間を過ごしてくれたという嬉しく心地よい体験。
そこに「ありがとう」の気持ちが生まれたから、お小遣いという形で返ってきたのではないだろうか。
自分にとってはなんということもない事実が、相手によってはものすごい価値になることがある。
君たちには価値があるのだ。
というわけで、自分の価値で稼いだ金銭だ。
「よーく考えて」使いたまえ。