小学校校関係の注意書きが否定で固められていた件。
投げません。
登りません。
上がりません。
しません。
寝ません。
入りません。
使いません。
ここまで否定されると、これはもうギャグなんじゃないかとさえ思う。
脳の仕組み
ヒトの脳は否定形を理解できないという。
否定を理解できないというよりは、否定された内容をイメージしてしまうというほうが正確。
「○○するな」と言われると、まずは「○○する」部分をイメージし、それからその内容がダメなのだと付け加える。
ヒトの脳はそういう仕組みになっているらしい。
だから、
投げません。→ 投げる
登りません。→ 登る
上がりません。→ 上がる
しません。→ する
寝ません。→ 寝る
入りません。→ 入る
使いません。→ 使う
というように、やっちゃってる光景が頭に浮かぶ。
子どもへの声掛け
子育てをしていて何度かお目にかかった、子どもへの声掛けのコツがある。
それが、「○○しちゃダメ」ではなく、「○○してね」と肯定の言い方をしましょう、というやつ。
例えば「走っちゃダメ」を「歩いてね」、「口に入れちゃダメ」を「手で持ってね」と言い換える。
止めてほしいそのものから気をそらすだけのようでまどろっこしいが、実際にやってみると効き目がある。
さすがのヤンチャ坊主も、脳のシステムには抗えないらしい。
肯定の声掛け。
子育てのコツとして謳われているにもかかわらず、学校関係の注意事項はこのありさまか。
というのはさておいて。
自分のため
肯定形は言う側もラクだ。
そもそも、言う側だって同じ人間。
否定形は理解できないはず。
「走っちゃダメ」と言えば走るわが子のイメージが、「口に入れちゃダメ」と言えば口に入れるわが子のイメージが頭に浮かぶ。
願いとはまったく逆。
これが肯定形の「歩いてね」「手で持ってね」だったら、心穏やかにいられるのではないか。
じゃあどうする
禁止の言い回しは禁止する。
そんなメビウスの輪のようなルールで、この注意書きを変更するとしたらどうなるのか。
「投げません」をどうするか。
とは言ったものの、しょっぱなからどうしていいかわからない。
棒、石、砂以外のものを投げましょう?葉っぱを投げましょう?
んなわけないか。
棒、石、砂、フェンス、下から上がる、立ちこぎ、二人乗り。
とにかくダメなものが列記されすぎている。
これだけたくさんのダメなものから子どもたちの気をそらせるには一体どうしたらいいのか。
ブランコの下に寝る
余談だが、この注意書きの中には「ブランコの下には寝ません」というのがある。
ブランコの座るところの下、地面がえぐれてるあの部分にあおむけに寝る。
そして誰かにブランコに乗ってもらい、目の前ギリギリを往復するブランコの恐怖を味わうという遊び。
YouTubeの影響で、子どもたちの間でちょっとした流行りになったらしい。
監督者としてはとうてい黙認できない。
だから即座に禁止され、注意書きに追加されたというわけ。
‥‥でもちょっとオモシロそうだ。
いや、このスリルはだいぶオモシロそうだ。
我が子に推奨する気はないが、安全対策がされているなら私がやってみたい。
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