碍子というものをご存知だろうか。
マシュマロに食い込む電線
碍子(がいし)とは、電線とそれをささえるものを固定する絶縁体。
電気を通さない陶磁器などで作られている。
そういえば、いつのころからだろう。
碍子が気になり始めたのは。
碍子は、街歩きをしていれば簡単に見つけられる。
頭上に張り巡らされた電線をたどっていけば、たいがい見つかる。
碍子は、遠目には「マシュマロ(もしくは大福)に電線が食い込んでいる」ように見える。
そんなはずないのはわかっているが。それ以外に思いつかない。
電線に付随している碍子は下から見上げるしかないので、どんな様子をしているかがいつまでたってもハッキリしないのだ。
近視なのが悔やまれる。
碍子が目の前に
ユルく気長に碍子を愛でていたある日、Instagramでこんなタグを見つけた。
日本で初めて碍子を製造した香蘭社が開催しているコンテスト。
インテリア碍子という新しいジャンルが期待されている。
ちょっと前にNHKの「ブラタモリ」で紹介されたとかで、碍子が巷で話題になっているらしい。
そこからの、このコンテスト。
応募方法は、香蘭社製の碍子画像に指定タグをつけてInstagramに投稿するだけ。
投稿するには香蘭社の碍子を手に入れなければならぬ。
そうだ!
手に入れることができるのだ。
「碍子の購入はこちら」というボタンがちゃんとある。
ずっと下から見上げているだけだった、あの碍子が!この手に!

買った。
碍子をこの手に
真っ白でツルリとした憧れの碍子は、手に取るとずっしりと重い。
これがあの電線を引っ張っている碍子か‥‥。
長く鑑賞していた対象だけに、実に感慨深い。
私の買った玉碍子は卵よりもふた回りほど大きく、電線を食いこませるための筋が2本入れてある。
だからパソコン周辺に置いておくと、マウスと間違ってうっかり掴んでしまう。
この2本筋が、実にぴったりフィットするのだ。

インスタ映えコンテストに応募した写真。
こうして憧れの碍子を手にしたわけだが、今のところコンテスト応募以外の使い道がない。
愛でやすいよう手元に置いておいたら、1日に何度もマウスと間違えて掴んでしまうに違いない。
それはちょっと忌々しい。
ペーパーウエイトという閑職を与えて、窓際インテリアにするしかないのか。