防災士が感じている災害時のプレッシャーは本人の勝手な思いこみである

近所の奥さんがやるってよ

このほど、自分の住んでいる地区で防災訓練をやった。
実はこれ、最初は気が乗らなかった。

そもそも住民なんだから、地元の防災に貢献するのはあたり前でしょ?
それを仕事にしているのならなおさらじゃない?
職業を活かして地域に貢献=タダで。

てなこと言われるんじゃないかと思って、警戒してた。

あと、「近所の奥さんがエラソーなこと言ってる」と取られるんじゃないかという懸念もあった。

ところがどっこい

防災訓練の企画会議に呼ばれて参加した。

会議は「防災訓練でなにをやるべきか?」で迷走した。
これはどこの地区でもたいてい同じ。
会議はしだいに井戸端風になり、議論と気力が尽きるころ「前回と同じでいっか」に落ち着きがちだ。

ところが今回は、ベテラン防災士のひと声で「もうプ全部プロに任せようじゃないか!」というムードに。

ダメ元で持参した訓練プランと見積書を出すと、アッサリOK。
なんだったんだ、私の懸念は。

知られていないイグジット

イグジットの防災訓練には、事前告知のための「防災訓練のお知らせ」作成も含まれている。
防災訓練を企画する担当者にはラクをしてもらいたいので、すべてお任せの丸投げパッケージになっている。

【自分で作りたい人は、こちらもオススメ】
ダウンロードして使えるPowerPoint・Word「防災訓練/消防訓練のお知らせ」企画のヒントつき

「防災訓練のお知らせ」にはイグジットの紹介も入れる。
訓練の様子と、簡単なプロフィールが掲載されている。
だけど誰も気づいてなかったみたい。

【だからこんなことを聞かれるハメに】
今度の防災訓練に参加しますか?

いよいよ本番

防災訓練は他の行事と抱き合わせだったせいか、大入り満員。
見覚えのある人たちが会場にギッシリ集まった。

「今日の防災訓練は、同じ地区の吉岡さんにお願いしました」なんてご紹介をいただいてスタート。

今日の会場は、ほとんどの人が顔見知り。
そのせいか、参加者の反応がすこぶるよい。
会場の反応がいいと、しゃべる側はそれを肥やしにしてさらに調子を上げることができる。
おかげで私もリラックス。

自分が大事

調子に乗ったついでに言い放った。

私は防災士ですけど、なんかあっても助けに行きませんよ。
だって、自分と家族の方が大事だから!

防災士になってからずっとモヤモヤしてたのがこれ。
イザってときに頼られるのはイヤだから、自分が防災士だということは仕事以外で公言しなかった。
「なんかあったら駆けつけなきゃ!」と覚悟している防災士に会うと、より一層モヤモヤしていた。
「発災時のプレッシャーを考えると夜も眠れません」と言う防災士には心底共感していた。

【あわせて読みたい、防災士のやるべきこと】
私が防災士になったことを人に言わない理由とその解釈

防災訓練の目的

だけど、よく考えたらおかしな話だ。
防災訓練で自助やら共助やらを強調しているのに、「イザというときは任せて!」なんて請け負うなんて本末転倒じゃないか。
「自分たちでやれるようになる」が、イグジットの防災訓練の最終目的のはず。

そうだ。
防災士は他人の命なんて請け負わなくていい。
いや、そんなもの請け負えるわけがないのだ。

助けに行ける保証がないからこそ、助けに行かなくてもいいような準備を今のうちに私はやる。

助けに行かない会社

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