職場のトイレ事情
我らがイグジットの入っているビルはかなり古い。
設備に刻印された数字から察するに、私よりもちょっと年上である。
だからトイレも和式。
いくぶん不便ではあるが手すりをつけたから支障はないし、床に敷き詰められたレトロなモザイクタイルは気に入っている。
なにしろ和式は掃除がカンタン。
床に穴が開いているだけなので、汚れてもホースで水を撒いて流してしまえばいい。
和式トイレも悪くはないのだ。
洋式に飛びつく
ところがこのたび、大家さんのご意向により、ビル全体が洋式トイレ化することとなった。
ある日突然、トイレの寸法を測りにリフォーム屋さんがやってきた。
「すわ、なにごと!?」と色めきだつイグジット。
リフォーム屋さんから洋式化の話を聞くと、今度は「ウォッシュレットですかっ?」「洗面台もよくなるのっ?」「広くなるのっ?」と寸法を測りに来ただけの人を質問攻め。
リフォーム屋さんは「大家さんしだいです」としか返答のしようがない。
まぁ、今よりよくなることだけは分かった。
便器交換の前に配線工事がいるらしい。
床に穴が開いているだけの小部屋に電化製品を取りつけるんだから、それもそうか。

搬入される便器。
一般住戸、事務所、すし屋と、バラエティに富んだ店子たちのそれぞれの都合でリフォーム工事は4日間にも渡った。
その工事をちょっとご紹介する。
和式トイレを洋式にする方法(私がやったわけじゃないけど)

便器の左上にあったタンクを撤去。長年水が飛んでいて、壁が汚れている。

和式便器を外して、穴をモルタルで埋める。
和式トイレって、ホントに床に穴が開いているだけなのだなぁ。

上から洋式便器を設置。モルタル部分が見えちゃうのはやむを得ない。
周りが古いままなのでリニューアル感は半減するが、新しい便器はピッカピカ。
ウォッシュレットと便座ヒーター、立ち上がると自動で水が流れるセンサー付き。
ただの穴だったきのうまでに比べたら、なんという進化だろうか。
バージントイレット
当然ながら、まだ誰も使っていない。
未使用のトイレなんて、そうそうお目にかかれるものではない。
ん?
使ってないということは‥‥便器の形をしているが、これは洗面台と同じなのでは?

ということは、今ならここで顔が洗えるのでは!?