前回までのあらすじ
やればやるほどオモシロい、避難所HUG。
娯楽のついでに仕事をしている私にとって、このゲームをやるための小道具づくりは寝食を忘れるレベル。

災害の状況を説明するためのイラストフリップ。いらすと屋バンザイ。
【ほかにもまだある、オリジナルのこだわりHUGグッズ】
イグジットの「避難所HUG」はここが違う!開発者の懸念を解決する紙とペン
余談だが、こういうこだわりグッズは、使う前日に思いついて作るのが常である。
日めくりカレンダー
HUG体験会の前日だというのに、またこんなものを作っている。

お好きな日付を入れられる、オリジナル日めくりカレンダー(2019年土曜版)
なぜ、避難所運営をやるゲームに日めくりカレンダーが必要なのか?
災害の状況をお知らせします
ある日の震災が舞台になるHUGでは、避難所をリアルに体感するために災害の細かい設定が決められている。
さっきのイラストフリップでも表しているように、震災に設定されているのは気温の低い悪天候の日。
停電し、電話も通じず、水は上下水道とも使用不可。
そのほか、周辺地域の環境や避難所の備蓄状況なども決められている。
これらの設定に従って、プレイヤーはゲームを進めていく。
避難所での情報共有
混乱する避難所では、さまざまな情報が入り乱れる。
ゲームではあるが、プレイヤーにとっては軽いパニックに陥るほどである。
そんな中、避難者や運営チームに適切に情報を伝達しなければならない。
「明日、仮設トイレが届きます」
災害対策本部からのこんなお知らせに、詰まって山盛りになったトイレを持て余していたプレイヤーは安堵する。
ひとまずホッとしたら、これを避難者に伝えねばならぬ。
そうだ、貼り紙をしよう。
そしてプレイヤーのひとりが1枚の紙にこう書く。
「明日、仮設トイレが届きます」
すると貼り紙を見た避難者からこんな声が出る(ような気がする)。
「トイレは使えないって聞いたけど、仮設のトイレはあるんですか?」
「もう仮設トイレが来てるんですか?」
「この貼り紙、きのうからありましたっけ?」
「明日って、いつですか?」
殺到する問い合わせにそのつど対応して疲弊する運営チームが目に浮かぶ。
見える化
プロジェクトを合理的・効率的に進めたかったら、情報の見える化は必須。
寄せ集めのメンバーが不測の事態に挑まねばならぬ、混乱した避難所が舞台であるならなおのこと。
仮設トイレはいつ届くのか、この貼り紙の発行日はいつなのか。
これらをハッキリさせれば、二次混乱を避けることができるはず。
HUGでは「冬の土曜日」としか設定されていない。
そもそも、今日は何月何日なの?
よし、決めよう。

お好きな「冬の日」を書いてください。
プレイヤーには、点線のマルに月と日を入れてもらおう。
日めくりカレンダーによくあるメモ欄には、天候とか気温とかを書きこむ。
(こういうのを作ってるときが一番オモシロい)
何度もやるうちに
HUGの開催を重ねるたびにアレコレと思いついて、新しい実験をしたりグッズを追加したりしている。
だから続けて参加した人は、「あっ、ここが変わってる!」という気づきがオマケでついてくる。
そこらへんもお楽しみにしていただきたい。