避難器具
「一生に一度あるかないか」というくらいの可能性で使うかもしれない非常用品、避難器具。
当然ながら誰でも簡単に使える仕様にはしてあるが、なにぶんその使用頻度は極めて低い。
イザ使うとなったら、大半の人が初体験だろう。
避難器具にはいくつかの種類がある。
誰が使うかによって設置される避難器具の種類が決まる。
無責任に雑なことを言うが、丈夫な大人にはハイレベルな避難器具、子どもには難易度の低い避難器具があてがわれる。
もちろん、もっとちゃんとした設置基準が消防法で決められているのだが、今日のところはおおいに割愛する。
子ども用の避難器具
大勢の子どもが使うと想定される小学校では、使用が簡単な救助袋が使われている。
救助袋は、地上まで伸びた筒状の袋の内側を滑り降りながら避難するもの。

「防火管理講習テキスト(一般財団法人日本防火・防災協会)」より
イラストだけ見ると、ものすごいスピードで落下する印象がある。
遊園地のジェットコースターやプールのウォータースライダーのイメージである。
いくら非常時とはいえ、「そんな絶叫マシンで避難するの!?」と不安になる方もおられよう。
ご安心ください
いくら非常時とはいえ、そんな絶叫マシンで避難したら二次災害を引き起こしてしまう。
したがって、そこらへんはちゃんと考えられているのでご安心いただきたい。
なんてフォローしても、一度ついたイメージはそう簡単に払しょくできないだろう。
実際に救助袋の中を人が通過している様子を見ていただくのが手っ取り早い。
スットーン!と落下するわけではなく、どちらかというと腸のぜん動運動のようなモゾモゾとした動き。
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袋の内側には、らせん状の通路が設けられている。
だから、中の人はぐるぐると回転しながら下に移動していく。
回転しながら下に降り、開口部から姿を見せるところは、感動の出産シーンのようでもある。
疑り深い人へ
実際の動きを見てもまだ「スットーン!」のイメージが抜けない方には、こちらの規定をご紹介する。
袋本体は、連続して滑り降りることができるもので、かつ、平均毎秒4m以下の速度で途中で停止することなく滑り降りることができるもの。
「避難器具の基準(消防庁告示第一号)」より
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