まず初めに断っておくが、私は猫を飼っておらず、興味も持っていない人間である。
そして、どちらかと言うと犬のほうが好きだが、「ワンちゃん」と呼ばれているよそさまのペットを「犬」と断言する程度のそっけなさである。
そんな私が、コドモズに付き合って猫カフェという空間を体験したので、今日はその話をする。

外国人観光客でにぎわう大分県湯布院の猫カフェ、ノルウェイの森。
猫カフェとは
カフェとは、コーヒーや軽食とともに談話なんかも楽しめる飲食店のことである。
ところが昨今は、コーヒーどころかお茶も出さぬ、単なるふれあいの場もカフェの名称を使用している。
イメージ先行も甚だしい。
以前、飲食のない談話の場は井戸端と称されていたはずだが。
猫に興味のない私の、猫カフェの感想がこちら。
このたび初めて猫カフェなるものを体験した。猫カフェとは「猫が複数ウロウロしている猫好きオーナーがやってる喫茶店」のことではなく、「猫限定のふれあい動物園に自販機が併設されている空間」のことであった。
— よっしー@避難所HUG水害編9/7大分市にて (@ne_dsk) August 15, 2019
実際の猫カフェはこれだった。

気ままなお猫様に人間側が合わせる、おもてなし逆転の空間。
ところで
防火対象物、要するに消防設備をつけなきゃならない建物は、その使い道でジャンル分けされている。
その分類表が消防法の令別表第一というやつで、消防業界ではマストでヘビロテな一覧表。
通称レーベッピョー。
【ヒマと興味のない人は見るべきではないレーベッピョー】
レーベッピョーでは、あらゆる防火対象物が1から20までの項で分けられている。
項によってはイロハでさらに細かく分かれているものもある。
例えば、1項のイは劇場や映画館というように。1項のロは公会堂や集会場。
6項に至ってはイロハの次に数字がついて、分類はもっと細かい。

世の中の多様化とあいつぐ重大事故で、ルールは細かくなっていくばかり。
消防業界の人間は、どこにいても無意識に消火器や強く押すを探している。
それと同じように、その場がレーベッピョーでなにに相当するのかも考えている。
休日に子どもと猫カフェにいても、だ。
猫カフェは何項なのか
さて。
件の猫カフェはレーベッピョーに照らし合わせると、いったい何項になるのだろうか。
一般の人にはまったく興味のない話だろうが、消防業界の人間にとってはちょっとした娯楽である。
ふたりで出かけていれば、項の当てっこという遊びが始まるのがわれわれ夫婦の常。

お猫様がおそばに来てくださったら、それは行幸。
仕事に絡む専門的な考察とはいえ、しょせんは休日の戯れ。
複合用途とか保健所のからみとか、そういうガチな話は言いっこなし。
猫カフェは3項(料理・飲食)か?
いやいや。カフェと言いつつ自販機が併設されているだけなのだから、飲食店とは言えまい。
だったら、「展示場」ということで4項(物販・展示)だろうか?
困ったときの15項(その他)という手もある。
1~14項のどれにも該当しない事業所は、すべてこの15項が引き受けてくれるはず。
しかし、安易に切り札を使うのはいかがなものか。
娯楽に本気で挑む
猫カフェとは、お客がお金を払って猫を愛でに行くところ。
そこで供される飲食は、あくまでも添え物。
お客はホストの愛らしさに酔うために行くのだ。
つまりキャバクラとか、あのへんの扱いなのでは?
だったら2項(夜の繁華街関係)だ。
猫が相手では、さすがに性風俗とは言えないだろう。
したがって、ハ(性風俗)ではなくイ(接待飲食)。
そうだ、猫カフェは2項イだ。