訓練するならギリギリまでリアルを再現した方がオモシロい、という話。
自動で発動するあれこれ
火事が発生すると、あちこちに仕掛けられたセンサーが熱や煙に反応する。
それらの反応は受信機というセンターに送られ、「すわ、一大事!」とばかりに各方面にお知らせが飛ばされる。
警備会社や管理人室、場合によっては消防署。
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関係者各位への通知と同時に、室内にいる人の安全な避難をサポートするシステムも発動する。
それが防火戸(防火扉)。
「防火戸が正常に作動する」ということ
「安全な避難をサポート」と言いつつ、防火戸がやっているのは通せんぼ。
これは、火事で発生する有毒な煙を遮断するため。
遮断したいのは煙だけで、人間様の避難を妨げたいわけではない。
だから防火戸は閉鎖後も手動で開けられるようになっているし、別の小さな扉がついている場合もあり、フツーの扉と同じ感覚で使うことができる。
頑丈な扉に阻まれ逃げ場がなくなったように見える通路も、落ち着いていれば簡単に通過できるのである。
しかし、想定外の災害に落ち着いていられるのは、ふだんからよっぽどトレーニングを積んでいる人ぐらいだろう。
大半の人は慌てふためき、パニックに陥るのが関の山。

扉が閉まっても何階にいるのかがわかる、ありがたい階数表記。
「ヤバい状況に陥った自分」がイメージできる訓練
火事を想定した避難訓練をするのなら、非常ベルや放送、口にハンカチだけでなく、実際にどうなるのかをシミュレーションした方が効果的。
「あ、これガチだったらちょっとヤバい案件だな」と思わせるのも訓練の役目だ。
詳細に準備されたシナリオ、歩行者天国のような避難ルート、恥ずかし気に演技する参加者。
そんな避難訓練を続けていては、イザというときに「こんなはずじゃなかった」「聞いてない」なんてことになるのは重々おわかりいただけるはず。

どんな大事な役目を果たすのか、試してみようじゃないか。
参加者をちょっとビビらせるぐらいのリアルを追及するのが、訓練企画のダイゴミと言い切ってもいい。
ヒヤリとしたりドキドキしたり、ちょっと胸が苦しくなるくらいの、キワをいく訓練をもっとやりたい。