消火栓や消防ホースを入れた収納箱には「消火栓」という表示がある。
キレイな表示を簡単に作れる現代ではカッティングシートなどを見かけることが多いが、古いものはこのような浮き彫りタイプ。
この浮き具合、彫り具合、削り出し具合が好きだ。
見かけるたびに写真を撮ってコレクションしている。
どこか微妙なアンバランスさをもつこれらのフォントは、職人による手作りなのだろうか
タイプはさまざまで、どれも個性的。

内側寄りのサンズイ3画目が不安定さを醸し出す。
長年の勤務による疲弊度合いや、浮き上がり部分にたまったホコリも愛おしい。
今もこのタイプを作っているメーカーさんがあるのだろうか。
材質はなんなんだろうか。
どうやって作ってるんだろうか。
知らないことだらけである。
そもそも、呼び名は「銘鈑」でいいんだろうか。

立ち上がり部分の粗削り具合が職人の仕事ぶりをうかがわせる。
消火栓の銘鈑を削り出すワークショップとかあったらぜひやりたい。
ものづくり業界の展示会とかでやってないのかな。

リニューアルによる塗り替えでシートタイプになってしまった、今はなき銘鈑。

パーツごとにピン止めしている造りだと、経年劣化で意図せぬ回転をしてしまう。

「火」の字も回転に弱い。

よく見ると、冒頭でご紹介したこちらの「火」にも回転の形跡が。