火事を探して徘徊する、この小型ルンバのような機器が火災探知機なのだろうか。
てな具合に、フツーの人が「火災探知機」と言ってしまう現象をちょっと小バカにしていた。
天井についている丸いアレ。
消防点検と称して棒を担いだ作業員がチェックに来るアレは、正確には「火災感知器」。
火災による熱や煙に反応する、要するにセンサーだ。
熱くなったり煙たくなったりしたら教えてくれるやつであって、コレが積極的に火事を探してくれるわけではない。
ところが
このほど縁あっておつきあいすることになったこちらの大手防災機器メーカー、ニッタン株式会社。
なんと設立当初の社名は日本火災探知器株式会社というではないか。
知らなかった。
1954年(昭和29年)日本火災探知器株式会社の商号の下に資本金50万円にて東京都渋谷区山下町において火災報知設備の開発、生産、販売、施工を主業として創立
ニッタン株式会社より
日本火災探知機だからニッタン。
つまり、あれが最初から火災感知器だったなら今ごろ社名はニッカンになっていたのである。
余談だが
私はその業界の関係者であるが、メーカーごとの機器の区別とか特徴とか、ましてやメーカーの勢力関係などはとんと知らない。
そういう情報はこの道23年、ベテラン消防設備士の夫にすっかり頼りきりである。
調べればわかることは覚えなくていいのだ。

夫は私にとって消防百科事典であり、外付けHDDでもある。
とにかく
火災感知器、火災探知機、火災報知機。
モノは違うが似たような呼び方があるので、なんとなく一緒くたにしてしまうのは仕方のないことである。
ちなみに、東京報知機株式会社から発展し、日本初の火災報知機を作ったホーチキという会社もある。
火災感知器だろうが火災探知機だろうが火災報知機だろうが、一般の人が区別できなくったって困りはしない。
火災探知機でもいいじゃないか。
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