前回までのあらすじ
適度な運動をしている体は欲しいが、運動にかまけているヒマはない。
そんな40代がスイミングに通うまでのグズグズ。
さて。
重い腰を上げてプールに通うようになったが、泳いではいない。
水の中をひたすら歩いている。
泳ぐ必要、ある?
水中ウォーキングはいい。
これからスイミングに通おうかと思っている経営者の妻には、水中ウォーキングを強くおススメする。
通い始めのころはバタ足だのクロールだのを駆使して泳いでいた。
しかし、潜ったときの閉塞感がポジティブに受け取れないことに気づいた。
同じプールで泳いでいる人もいるというのに、潜ったとたんものすごい孤独感に襲われる。
そして息苦しい。当たり前だけど。
ひょっとして私、潜るのが好きじゃない?
だったらなにもムリして潜ることはない。
好きで通っているプール、それも完全フリーの大人コース。
都合のいいときに行って時間の許すだけ利用すればいい。
誰かに師事しているいるわけでもない。
うん。歩こう。
と割り切ってウォーキングに切り替えた。
ウォーキングのススメ
水中ウォーキングはいい。
潜らないから髪が濡れない。
潜らないから化粧が落ちない。
潜らないからゴーグルがいらない。
これらはまさにパラダイムシフトであった。
仕事の合間にプールに行くので、髪が濡れる・化粧が落ちるにはそれなりの対策がいる。
寒い季節には髪をしっかり乾かさなければならないし、描き眉が消えていれば描き足さねばならぬ。
これらの心配事が一気に消滅するのだ。
これぞ大人のスイミング。
仕事の合間にスイミングに通う女性は、プールで潜ることなかれ。
忘れ物をしなくなる
中でも、ゴールグルがいらないというのは目からウロコだった。
スイミングの持ち物で一番忘れそうなのはキャップ。次点がゴーグルだ。
幸いゴーグルを忘れたことはまだないが、キャップはもう何度も忘れている。
ゴーグルだっていつ1位に躍り出るかわからない。
時間の問題である。
でももういいのだ。
ゴーグルは持っていかなくてもいいのだ。
頭のハードディスクから、ゴーグルの存在を完全に消去していいのだ。
アイディアが欲しかったら
脳内ハードディスクが軽くなったせいか、ウォーキング中の頭の動きが目まぐるしくなった。
新しい仕事に取り組んでいてアイディアをひねり出さねばならぬときなんかは特にいい。
水に浸かってひたすら水をかき分けていると、くだらないことを次々に思いつく。
体には水がまとわりついているが、思考は完全に解放されているのだ。
こうして私は、オモシロいアイディアがどんどんまとまってしまう環境を手に入れた。
余談だが
経営者の妻にはさらに、仕事中の水中ウォーキングをおススメする。
経営者の妻たちよ。
会社の裏側で夫を支え、事務作業から新事業立ち上げまであらゆる能力を求められ、それでいて労働環境は真っ黒という経営者の妻たちよ。
いますぐスイミングスクール(フリープラン)に申し込むのだ。
そして水中でアイディアを練るのだ。
ひとつ残念なのは、せっかく思いついたオモシロいアイディアが、水中ではメモできないことである。