消防点検の「すべて動かして試してみる」はどう考えてもやりすぎである

誰も気に留めない隅っこでクモの巣まみれ、ときには野ざらし。
そんな状態で半年も放置していた機器なんて、使いものになるのだろうか。
そんなことをいつも疑って、使えるかどうかを試しているのが消防点検。

なにしろモノは非常用の機器。
不慮の故障やいつの間にかの経年劣化に気づかないまま、Xデーを迎えてしまったらジ・エンドだ。

覚えておきたい業界用語 常時非使用・完全作動

消防点検では、用意されている設備や機器を本番さながらに動かして確認する。
火災報知機も消火栓も消防ホースも、とにかく全部試してみる。
消火器は使い捨てだから、試したあとは新しいものに交換する。
スプリンクラーは水こそ撒かないが、ポンプを動かして配管の中だけでも流してみる。
現実的にやれる限界ギリギリまでやる。

それが非常用機器のメンテナンス、消防点検。
それが消防設備士の独占業務、消防点検。

しかし、避難器具だけは試してみすぎじゃないだろうか。
点検者が体を張りすぎじゃないだろうか。

避難器具には次のような種類がある。

避難はしご
緩降機
すべり台
すべり棒
避難ロープ
避難用タラップ
避難橋
救助袋

すべり台はともかく、一般的には上階から地上に降りるためのものなので、どれもまあまあのスリルがある。

余談だが、スリル部門における私のベスト・オブ・避難器具は、なんといっても緩降機。

「窓から飛び降りる恐怖」に慣れる仕事

バンジージャンプを連想させる緩降機は、イザというときでも使いたくない。
それ以前に緩降機は、イザごときで使えるほど簡単なものではない。
ハッキリ言うが、一般人にはまずムリなので今のうちに諦めてほしい。

さて。
このようにスリル過剰な避難器具だが、検査の方法はその他の機器と全く同じ。
本番さながらに使ってみて試す。
点検者のバイブル「点検要綱」にもハッキリと明記されている。

目視及び器具の使用により確認する。

いやもちろん、誰かが使ってみなきゃホントに使えるかどうかがわかんないんだけども。
それにしても点検者が体を張りすぎじゃないだろうか。

目視で勘弁してほしい会社

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