「なにを備えたらいいですか?」
防災がらみでよく聞かれるこの質問、いつも答えに窮している。
「どう備えたらいいですか?」って聞かれるから気をつけてる日々の行動(外出先では非常口を確認する、とか)を答えるんだけど、大抵は「あー、いや、それはわかるからいいですわ」みたいな反応。劇的に効く裏ワザみたいなのを欲しているのだろうか。
そんなのは知らない。
— よっしー/強く押すメガネの人 (@ne_dsk) March 26, 2020
逆に聞きたい
あなたは一体なにに備えたいんですか?
地震ですか?火事ですか?それとも台風?
対象の災害がわからなければ備えようがない。
その人のニーズをじっくり聞き取って、私の経験からアドバイスすれば叶うのかもしれないが、防災訓練の片づけ中に立ち話で聞かれても答えようがないのである。
コロナ騒動
令和のパンデミック、新型コロナウイルスが引き起こしたこの騒動。
われらが大分県でも感染者が相次いで、いよいよ他人事ではなくなった。
ひょっとしたら明日にでも外出制限がかかるやもしれぬ。
そうなったら仕事はどうする。家はどうする。
余談だが、われわれ消防設備業界はふだんから「建物が存在する限り仕事ななくならない」と油断し切った殿様営業をやっている。
ところがどっこい外出禁止になれば、そもそも現場に行けないじゃないか。
消防設備業者はこれに懲りて、本気で二の手、三の手を用意すべきである。
外出禁止令に備えるには?
さて、感染を防ぐための外出禁止令が発令されたらどうするか。
数日外出しなくてもなんとかなる準備をしておこう。
外出禁止の期間がどれくらいになるのかまるで予想ができないが、迷っている時間はない。
えぇいっ、とりあえず1週間としよう。
こんなものは勢いだ。あとから調整すればいい。
私が備えたこと
数日間の備蓄となれば、まずは水・食料・日用品。
今回の場合、断水は考えにくいので食料と日用品をそろえよう。
肉と野菜をまとめ買いして、小分けにして冷凍する。
ふだんから保存食も備蓄しているので、食べ物はこれでいいだろう。
日用品と言えば、記憶に新しいのがトイレットペーパー売り切れ騒ぎ。
あれは、備蓄のビの字もなかった人たちが急に思いついて買いに走ったあげくの結果であろう。
通常通り生産中の情報があったのだから、在庫を持っている人は慌てなかったはずだ。わが家にも12ロールある。
あと、備えで思いつくのはガソリン。
しかし、今回は外出禁止に備えるんだから必要ないだろう。
手洗い用の石けん、消毒用のアルコール、ゴム手袋はふだんから使っているので予備がある。
その他の日用品も1週間なら困らない。
心理的障害
食料品をまとめ買いしたとき、うっすらとした不安を感じていた。
「こんなに買って、ムダになったらどうしよう‥‥」である。
人は回収できなくなった投資費用に思いをはせてクヨクヨしてしまうものだ。
せっかく手間やお金をかけたのに、それに見合った効果が得られないと悲しくなるのだ。
「災害に備えて備蓄しましょう」と言われてもなかなか行動に移せない原因もこれ。
必ず起きる災害ならすぐさま準備するのだが、起こらないかもしれないことにムダ足を踏みたくないのだ。
そんなあなたが備える方法
大量にまとめ買いした1週間分の食料品を前にして、「ムダになったらどうしよう‥‥」などとクヨクヨしている場合ではない。
使えばいいのだ。
使うものを備蓄すればいいのだ。
これからの1週間、買い物に行かなくてすむじゃないか。バンザーイ。