
「買ってきます券」1枚50円。
ムスメ商店、その後
小売業から始まって、掛け売り・与信管理まで手掛けるムスメ商店。
自分で商売をしているので、完全受け身のおこづかいを待つだけだったころよりもキャッシュフローが活発である。
現金出納帳(おこづかい帳)の行が足りないので、毎回継ぎ足すありさま。
チョロいカモである弟2人を手玉に取って、グレーな商売もしている。
購買欲は強いが金回りはあまりよくないこの2人を相手に商売をするのであるから、未収金の回収にパワーを使うことになってしまうのだが。
ライバル登場
ムスメ商店の働きは、まさに経済発展の縮図である。
実社会もそうであるように、成功した者がいれば追従する者があらわれる。
ムスメ商店に競合する者があらわれた。
その名も弟商店。
これまでいいカモでしかなかった弟①が、同業者として市場に乗り込んできたのである。
ライバル登場。
新しいサービス
独占市場に君臨していたムスメ商店、ライバルの登場に対抗して新しいサービスを開始した。
危機感があり、市場の変化に対応するこのとのできる優秀な企業である。
新しいサービスは「買ってきます券」の発行。
お客さんがリクエストするものを買ってくるという、受注仕入れのシステムである。
このシステムのメリットは、ムスメ商店が在庫を抱えなくてすむというところである。
強い輸送ルートを持っているムスメ商店は、自分で遠方に仕入れに行くことができる。
自転車で遠くまで出かけることのできる中学生ならではの強みを活かして、校区外のディスカウントストアで安く仕入れてくる。
小学生の弟商店にはとてもまねできない。
こんなことを考えつくとは、わが子ながら商売にたけているじゃないか。母親は単純に感心している。
誰にどう売るか?ターゲットの絞り方
さて、この「買ってきます券」はポイント制なのである。
そしてそのポイントの仕組みは、
連日商品を買うと2か目(2日目)から10円につき1ポイントつきます。
そのポイントは1ポイント1円で買うこともできます。
カードは30円で売っています。
数字がめんどくさい母は、2日目・10円・1ポイントの3つの数字を見ただけで思考停止。
どうすれば買い物ができるのかという答えに行きつくことなく、このポイント制を放棄した。
一方の父親は理系であるから、このポイント制で一番お得になる方法を計算し始める。
ムスメ商店のターゲットとして母親は不向きで、父親はドンピシャリなのだ。
しかしムスメ商店としては、緻密な金勘定をする父親よりも、ときおり太っ腹に豪遊する母親を顧客としたいところ。
商売って難しいなぁ。
だからオモシロイ。
いきすぎた営業活動に行政が動くという続編