街中でピンの抜けた消火器を見つけた。
こんなとき、あなたならどうする?

抜けたピンは足元に落ちている。
暴走する消火器
消火器のピンは安全ロックである。
それが外れてるということは、いつでも発射オーライの状態なのだ。
ここで「にぎる」と書いてあるレバーをちょいと下げようものなら、ピンクの粉をブフォォォッ!とまき散らす。
安全装置の外れた消火器は暴走し、中身がカラッポになるまでまで薬剤を吐き出し続ける。
そんな一触即発の消火器を街中で発見したとき、あなたならどうする?
職業人として
ヤバさは重々承知のうえだが、勝手にいじるのはいかがなものか。
我われ消防設備業界の人間が消火器をひっくり返したり、送水口のフタを外したり、消火栓の扉を開けて中を覗いたりしているのは、あくまでも消防点検を委託されているからだ。
ご契約をいただいていないよそさまのビルで、勝手にあれこれいじったりしない。
もちろん、非常時なら話は別だ。
出かけた先で火事ともなれば、我われ消防設備業界の人間は率先して消火器を持ち出し、消火栓のバルブを開け、避難はしごを拡げてその場にいる人を安全な場所へ誘導するだろう。
(正常性バイアスとかは置いといて)
非常時なのか
「非常時なら契約していなくても手を出す」と言ったが、消火器が一触即発状態になっているのは非常時ではないのだろうか。
うーむ。
ブフォォォッ!ってなったらヤバいんだから、これは非常時と言っていいんじゃないだろうか。
少なくとも非常事態の一歩手前である。
だったら手を出すべきだろうか。
行きつけの店など、知った間柄ならやるだろう。
「この消火器、ピンが抜けてるから戻しときますね」とかなんとか言って、サクッと復旧させるだろう。
実際そういうことはたまにある。
なんならついでにピンの戻し方をレクチャーしたりもするだろう。
でも、全然知らないよその消火器に「ピンが外れてますよ」なんて言いにくいなぁ。
同業の人たちはどうしてるんだ?

ピンも中身も抜けてる消火器。ここまでヒドいと、交換の見積書を差し上げるしかない。