業界用語で、火災感知器を点検することを「炙る(あぶる)」という。
なぜ「炙る」?
火に当てて、暖めたり焼いたりすることを炙るという。
火災感知器は、火事に反応するセンサー。
それがちゃんと反応するかを試すには、本番さながらの環境にさらすのが一番。
つまり熱くする。
熱試験器と呼ばれる、先端に熱を持たせた棒を感知器に当てる。
ここんとこから、火災感知器を点検することを「炙る」と称している。
熱で炙られた感知器は、急激な温度変化を察知して「火事だー!」と反応するわけ。
感知器いろいろ
社会が複雑になるにつれ、対応機種が増えていくのが世の習い。
火災感知器にもいくつかの種類がある。
熱さに反応する感知器はこの2種類。
- 急に熱くなってきた! → 「火事だー!」
- この温度、尋常じゃない! → 「火事だー!」
煙に反応するやつもある。

住宅でおなじみの、煙感知器。
詳細な仕組みは大きく割愛するが、煙感知器は中に煙が入るとゲホッと反応して「火事だー!」となる。
ちょっと待て
熱感知器の点検は「炙る」でいいが、煙感知器は火を当てたりしてないぞ?
煙なんだから、どちらかというと「燻す(いぶす)」じゃない?
階段の感知器を点検するとき、「じゃあ、いまから燻しまーす」って言ってる?