業界の常識は一般の非常識
このテーマはブログで何度か取り上げている。
紹介の多い業界なので、まったくのシロートさんと仕事をすることは少ない。
そのため、ほとんどの仕事はいつもの感覚で進められる。
しかし、たまにまったくのシロートさんからご依頼いただくこともある。
たとえば、
「いままで一度も消防点検をしたことがないんだけど、このたび消防署の査察が入ったのでこの機会にちゃんとやりたい」
なんていうお客様からのご依頼。
え、そこから?
サクサクッと作った見積書をいつもの調子でスパーンとメール添付なんかすると、再び問い合わせをいただいたりする。
「消防点検って、なにするんですか?」
‥‥‥えーと。
自分が当たり前にやっていることを、それを全く知らない人に説明するのは難しいものである。
このほどそんな機会があり、基本に返っておさらいしたのでご紹介する。
作業内容
マンションなどの集合住宅の場合は、特に入居者の方に作業をよく理解していただきたい。
なにしろ、ヨソんちのお部屋に入らせていただかねば点検できないのだから。
そこで、建物についている消防設備の具体例を挙げて解説する。
共用部:消火器、避難器具(※)、火災受信機、火災感知器
専有部(居室内に入らせていただきます):火災感知器
※避難器具はベランダにあるため、該当する居室に入らせていただきます。
すべての消防設備の外観点検と作動試験(火災時と同等の動作確認)をします。
点検中は、非常ベルや警報の音を鳴らすことがあります。
我われにとっては聞き慣れた非常ベルの音だが、あれはそもそも緊急事態や異常を知らせる音。
日常生活中に鳴ったら落ち着かないに決まってる。
我われにとっては「音の試験だから音が鳴るに決まってる」んだが、一般的には「試験=鳴る」の想定がない。
作業時間
全体の点検:約2時間(初回のみ、追加で1時間ほどかかります)
居室内の点検:1戸あたり5~10分
「自分ちの点検が終わったらすべての作業が終了!」みたいな一般的な感覚を予測しておこう。
居室の作業はほんの一部であることを伝えておかないと、「いつまでもマンション内をウロウロしてるけど、仕事の手際が悪いのかしら」なんて誤解をされかねない。ひぃぃ。
作業員
ちゃんとした人が検査してますよアピールも忘れずに。
消防設備士、消防設備点検資格者(2~3名)
※新型コロナウイルス感染予防のため、作業に従事する者は下記の対策をいたします。
・毎朝の検温(37.5℃以上は業務不可)
・作業中のマスク着用
・勤務時間中3回の手洗いを実施
・同居家族の健康チェック
その他
初めて消防点検が入る建物にあるのが、不備の頻発。
故障の原因や修理のプランニングをするので、現場作業が思ったよりも伸びる傾向がある。
現地の状況や設備によって、作業内容や所要時間が変更する場合があります。
消防点検で判明した不備には、改修計画と見積をご提案します。
改修作業は別途日程を調整いたします。
修理もやりますよアピールも忘れずに。
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