非常ベルの音
【絶対音感のある人向け】赤い楽器・非常ベルの音は「ラ」なのか?
非常ベルの音は音階で言うとなんなのか。
ということでさっそく鳴らして確かめてみて、ジリジリジリーン!とやかましく鳴り響く、あの切羽詰まった音とはかけ離れたいい音色を持っていることが分かった。
非常ベルは楽器だったのだ。
後日、そこらへんに詳しい人から、この音は「ド#」であるという報告が入った。
「ラ」なのか?とあてずっぽうで投げかけてみたら、実は「ド#」であったというオチがついて、この件は幕となったかのように見えていた。
ところが、非常ベルの音はどれも「ド#」なのか?という疑惑がわいてきたのだ。
国産のベル

年季の入ったお宝を入手。奥の小ぎれいなのは前回のお宝。
このほど、別のタイプの非常ベルを入手した。
手に取ってみただけで、こないだのベルと違うのが明らかなのだ。
やや薄手で、軽い感じ。
これはひょっとしたら「ド#」ではないかもしれないぞ。

左が今回のお宝。
表側はさほどでもないが、裏側は明らかに違う。
裏側がこれだけ違えば、音色もずいぶんと違うはず。

メイド・イン・モノづくり大国ニッポン。
そもそも、非常ベルの基準に音域の指定はないのだ。
定格電流だとか絶縁抵抗だとか、そういうのは細かく決められているが、音色に言及している部分はない。
有事の際の非常ベルに、繊細な音色を要求するというのも不自然な話である。
聴きくらべ
さっそくその音を聴きくらべてみることにした。
左側が今回のお宝、右側が前回のお宝だ。
違う。
明らかに違う。
今回のお宝である左側のベルを連打してみて、田舎の法事を思い出した。
ちょっと濁った感じの音が、おつとめの途中に鳴らす鐘みたいだ。
前回のときに鳴らしてみて、「荘厳な寺院を連想させるような響き」なんて言ったけど、今回のベルのほうが荘厳な寺院にふさわしい。

浄土真宗本願寺派・賢明寺 副住職・大江英崇氏のブログより
それに比べて、右側の前回のベルはまさに楽器。
いつまでも後を引く余韻。
これ、別の音色があったら、ちゃんとしたステージでも使えそうだ。

こういう場に出てもちゃんと務まるはず。
さぁ、こうなると私としてはいろいろ集めたくなってくる。
そして全部をぶら下げて鳴らしてみたくなる。
あわよくば一曲演奏してみたくなる。