スマホを新しくしたら、カメラに「万華鏡」というエフェクト機能がついていた。
なんてことない日常の風景が、万華鏡効果で不思議ワールドにトリップしてしまう。
撮影してると酔ってしまいそうなくらいの効果がある。
三半規管がおかしくなる酔いと、ムードに酔う、の両方。
メタリッククール
冷ややかな印象さえある、一見クールなこの被写体。実はわが家の台所シンクだ。
しかも、朝ごはんの食器を放置しているグータラ主婦のシンクである。
水滴とコップ、それに子ども用のフォークがなんとなくわかる。
すでに昼近い時間。
わかっちゃいるけどめんどくさい。
シンクの様子が視界に入るたびにいやな感じがする。
だけど万華鏡を通したらこんなにクール。
この意外性、クセになる。
春の野原にふんわりこ
グリーンを中心に、柔らかなフリルが広がるようなコレ。
これは洗濯機周辺の洗剤ボトルたち。
緑色のはワイドハイター、黄色いのはエマール、赤いのはエリ袖用のトップである。
やわらかなイメージを引き締めるかのようにエッジの鋭い三角形が写りこんだが、これの正体はなんなんだろ。
この生活臭あふれまくる場所が、こうまでなるとは。
周辺海域
元からごちゃごちゃした素材は万華鏡にどう映るのかと、地球儀を撮影してみた。
国がカラフルに色分けされている地球儀なので、万華鏡の効果が半減してしまった。
一方、地名の表記は非常に興味深い。
カメラの角度をわずかにずらすだけで異国の文字のようになってしまう。
つまらないパターン
手ぬぐい。
これも万華鏡効果があまり出ないパターンだった。
そもそもが幾何学的な模様なので、万華鏡を通しても意外性が出ない。
思いがけない模様が現れるのを期待しているので、この手の素材はモデルとして不適切である。
モダン鬼門
これは原形をとどめない、いいパターン。
モデルは、ムスメ商店の学校用備品が詰まった棚。
教科書だのカバンだの趣味の小物などがギッチギチに隙間なく収納されているムスメ商店の棚は、母親の私にとっては鬼門なのである。
できれば見らずにやり過ごしていたい。
そんな場所だからこそ、この意外な結果が素晴らしい。
オマエを食べてやろうかイッヒッヒ
意外性がオモシロイならば、これも撮ってみらねば。
おなじみの、強く押すメガネ。
万華鏡での撮影はディスプレイを見ながらの自撮りができないので、微調整のしようがない。
撮ってみるまでどんな感じになるのかわからないのだ。
撮ってみたらこんなの。
「大どろぼうホッツェンプロッツ(オトフリート・プロイスラー作/ドイツ)」に出てくる、魔女の家の壁紙みたい。
我ながら、コワいよー。