
大分臼杵港と愛媛八幡港を結ぶ九四オレンジフェリーにて。
船の消防
フェリーの消防設備は独特である。
船は、船舶安全法の船舶消防法規則で規定されている。
ふだん見かける建物は消防法で規定されているが、船には別のルールがあるということである。
地続きの建物なら火事になっても消防隊がきてくれるけど、海ではどうしようもない。
独力でなんとかしなければならない。
というわけで一般的な建物よりもレベルの高い消防設備がついている。
とかエラソーに書いたけど、このほどフェリーに乗って改めて調べた結果なのだ。
なにしろホラ、我われが関わっている消防法とは別ルールのモノだから、正直言ってよく知らない。
現物を見て、ちょっと毛色が違うなとわかるくらい。
マジメな表記

強く「PUSH」。船では英語表記がよく見られる。
「手動火災警報器」。
この設備の働きが、ストレートにそのまんま表記されている。
ボタンを手動で押して火災を知らせるわけだから、正しい。
陸ではあまり見かけることのない、マジメな表記。
ホース格納箱は「HOSE BOX」。
消火栓を意味する「HYDRANT」の場合もある。
HOSE BOXの中に入っているのは、消火ホース。
消火ホースのマークはこれ↓。

ウナギにしか見えない。
アイコンというのはよほどの意図がない限り中心に置かれるものだけど、これはなぜか左下に縮こまっている。
おかげで、いけすに入れられたウナギに見える。
左下に配置されている理由は不明。
消火器も独特

見なれぬ形の消火器。
消火器は黒いレバーとホースが特徴である。
ところがこの消火器、ホースはあるがレバーがない。
この消火器は、中に入っている2種類の薬剤が混ざり合うことで発生する泡で火を消す、泡消火器。
どうやって混ぜるか、その仕組みを雑に言うと、「消火器を倒して混ぜる」のだ。
倒すだけ。簡単でしょ。
倒れると混ざって泡が出る。
海上の波で揺れて倒れちゃマズい。
だから転倒防止策がガッチリ施されている。
様子の違うピクト

逃げた先は海。
地続きの建物にある非常口マークに比べると、船の非常口は様子が違う。
首をすくめて、ちょっと力が入ってる?
無事に非常口から脱出できたとしても、その先は海。
非常口をくぐったぐらいで油断してはいけないのだ。
すぐに助けが来るとは限らない。
だからまだ緊張しているのか?
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