由緒ある古湯と背中合わせの風俗街
道後温泉。
四国・愛媛県松山市に湧き出る、日本三古湯のひとつ。
中心街にある道後温泉本館は、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルとしても有名。
「温泉と言えば風俗」という短絡的なイメージそのまんまな、道後温泉。
観光客がひしめくお土産アーケード街をそれると、昼間なのに猥雑なムードただよう狭い路地。
ワイシャツにネクタイなのにどこか崩れた印象の男性スタッフが、ピンクとキラキラを基調としたお店の前に立っている。
全国的にすたれつつあるはずのストリップ劇場もある。
よくも悪くも、古い温泉街ならではの文化。
火災現場に行き当たる
そんな道後温泉の風俗街を散策していたら、立入禁止の黄色テープが張り巡らされた異様な雰囲気のコンビニに行き当たった。
どうやら、ここで火事があったらしい。

後ろにそびえるのは、堂々の「ヘルスビル」。
外に出された商品棚にはブルーシートがかけられ、広い駐車場は白っぽい粉まみれ。
店内にあったと思われる消火器が出入り口あたりに集められており、それらはすべて使用済み。
まだ生々しい感じのこの現場、ネットで調べてみるとほんの4、5日前に火事になったみたい。
駐車場は粉まみれだが、建物は外から見た限りではさほどダメージを受けていないように見える。
窓から天井がはがされているのが見えるくらい。
天井が一部やけただけで、大ごとにならずにすんだようだ。
とはいえ、古い観光地の中の風俗街。建物が密集している。
火の用心が万全とはいいがたい街並み。
ヘタすれば大参事になったわけだ。ゾッとする。
出動3秒後に現場到着

このときばかりは日本一の、松山市東消防署。
実は、火災現場であるコンビニの裏は消防署。
幸いというか、なんというか。
風俗街と同様に、消防署も古湯・道後温泉と背中合わせなのだ。
119通報を受けてから現場到着するまでの所要時間は、目標5分。
このときばかりは余裕で目標を達成したに違いない。
こういうときは119通報なんかしないで、直接呼びにいくのかな。
それとも騒ぎを聞きつけて消防隊が来てくれる、とか。
消防署を観光する会社