
10年間なにごともなく、ひたすら待機していた消防ホース。
消防ホースの交換作業をやったので、中古のホースが手元にある。
一度も使われたことがない新品なのだけど、10年間の経年劣化は消防法が許さない。
10年間、消火栓収納箱の中でじーっとしていたホースたち。
クモの巣やら虫の死がいやらカビやらでみすぼらしい姿になっている。
これらの中古ホースは、通常ならば産業廃棄物として処分をする。
用途は違えどモノは同じ
だけどこのホース、欲しがる人がいるのだ。
散水用ホースと同じなので、グラウンドに水を撒くのに使えるのだ。
高校の運動部あたりに需要がある。

消防用も散水用も、同じメーカーが作っている。
せっかくだから、欲しい人にあげよう。
パッと思いついて、ガーッと描いて、バーッとFAXした。
そうしたら、とある高校から依頼があった。

まさかこれに反応があるとは。
野球部の先生からご依頼をいただき、ホースを抱えて行ってきた。
大分市内でありながら標高70mというその高校へ。
散水現場を見せてもらう
消防のことしか頭にない我われ、ホースメーカーが散水用のホースも作っているというのは、なんとなくしか知らない。
いい機会なので、実際にどこからどうやって水を撒くのか、見せていただいた。

グラウンドの中央にある水源。
散水業界を調べてみると、ホースだけじゃなく、スプリンクラーもあるんだね。
農業用・緑化用も同じ。
意外なところに仲間を見つけた感じ。

水源の表示は「消火栓」。
この学校のグラウンドは、消火栓を水源としていた。
燃えるもののないグラウンドのド真ん中に、消火栓があるのは妥当なのか。
バルブを開ければ水が出るのか。ポンプと連動しているのか。
そもそもこれは本当に消火栓なのか。
次から次に疑問が生じる。
またまた新しい引き出しができた。
ホースはダメだったけどイラストはよかった
残念なことに、学校で使用しているホースとは口径が違っていた。
そのため、持って行った中古ホースを使ってもらうことは叶わず。
「せっかく持ってきてくれたのに」と、先生も恐縮。
いやいや、あんなふざけたFAXがちゃんと検討してもらっただけで御の字である。
「おもしろいイラストだったので」だって。嬉しいなぁ。
さらにこんなオモシロ体験をさせてもらったんだから、もうもう充分である。
今度いいホースが手に入ったら、まっさきにお知らせすることにしよう。
中古ホースがたまに手に入る会社