
避難訓練コンサートin大分豊府高校吹奏楽部
避難訓練コンサートってなんだ?
避難訓練コンサートとは、演奏会に避難訓練を組みこんだイベントである。
災害は、いつどんなときに起こるかわからない。
家族そろって自宅にいるときとは限らない。慣れた職場で仕事の顔をしているときとは限らない。
いつもとは違う、特別なイベントのときだって災害に遭う可能性がある。
たとえば、たくさんの人を収容する大ホールでの公演中。
大分市で行われた避難訓練コンサートは、大分豊府高校吹奏楽部による演奏中に地震が発生したという想定で開催された。
あらゆる場面を想定して備えておくのは大事である。
ありえないプログラム
だがしかし、演奏中がムリヤリ中断されてしまうというのは、吹奏楽のプレイヤーとしてはどうなんだろうか。
このコンサートのために毎日の練習を積み重ね、今日は朝から開演時間に向けて気持ちを高めていたはず。
そしていよいよ緊張のオープニングを迎える。
避難訓練コンサートであるから、地震発生で演奏を中断しても、訓練が終わればコンサートが再開される。
マジの非常時では再開などありえない。
こんなプログラムは避難訓練コンサートだけである。
さっきいきなりブチ切られた流れを、「こっちは終わりましたから、続きをさぁどうぞ」と言われて元に戻せるもんだろうか。
今回の避難訓練コンサートでは、そこが一番気になるところ。いや、肝心の避難のとこも多少気にはなるが。
地震発生
コンサートが始まってすぐ、2曲目の冒頭で地震が発生した。曲は、サックスのソロが見事に終わったあたり。
恐怖のスイーブ音(フィーッ!フィーッ!)とともに、「地震が発生しました。安全な姿勢をとってください」とアナウンス。ゴゴゴゴ‥‥と効果音が流れて、ものものしいムード。
続いて地震による火災発生。発煙筒と赤い照明が使われて、リアル。
避難経路の安全が確認されたところで、屋外に避難する指示が出る。
建物から出てくすぐの広場に集合し、取り残された人がいないことが確認されたら訓練は終了。
いよいよ会場に戻って演奏再開である。

ホールの玄関を出たところが避難場所。
ではさっきの続きから
演奏はどの部分から再開するのか。
さすがに曲の途中から始めるわけにもいかず、「さっきの曲が途中だったので、もう一度最初から」という展開。
再び2曲目をやる。もちろんサックスのソロももう一度。
この流れ、気分が萎えないのかなぁ。
ソロ演奏なんか、特に気分を集中して盛り上げて挑むものではないのか。
現役高校生の馬力、すごいな。
顧問の先生の話によると、大分豊府高校吹奏楽部の活動理念は「社会貢献」。
だから吹奏楽部の勝負の場であるコンクールの直前であるにもかかわらず、避難訓練コンサートに出演するのだそうだ。(豊府高校吹奏楽部は、今年のコンクールで金賞を受賞し、大分県代表として九州大会へ出場することになっている)
私が吹奏楽をやってたとき、部にこんな立派な活動理念があっただろうか。
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