4歳児のお手伝い
なんでもやりたがる4歳児が家にいる。
4歳といえば、反抗期の時期。
自立と依存のはざまを、それはもう目まぐるしく行ったり来たりしており、大人のやりかたがまるで通用しない時期である。
私が台所で作業をしている姿を見る機会が多いせいか、彼が特に興味を持つのは台所。
カレーを作っていたら、4歳児が「手伝う!」とやってきた。
やる気マンマン。
準備よくふみ台まで持って来られたが、カレー作りはすでに終盤。
今から彼に任せられるような作業といえば、ルウを入れることぐらいか。
じゃあこれ、と4歳児にルウを渡すと、
「これ、食べていい?」
‥‥こういうとき、どうする?
カレールウはうまいのか?
カレールウは、材料を煮こんだスープに入れるものである。
直接食べるものではない。
しかし、食べられないわけではない。
実は私、コンソメキューブやガラスープの素をかじる子どもであった。
だから本来の使い方とは違う、「カレールウを食べる」こと自体にはさして抵抗がない。
しかし、カレールウをそのままかじったって、脂っぽくて味が濃くて、たいしておいしくもなかろう。
それで懲りれば、二度と食べたいなんて言い出すことはあるまい。
で、やらせてみる。
4歳児の思いつき通り、カレールウをかじらせてみる。
メンドクサイことはしない
ここで、彼に正式な使用方法を説き、レシピ通りにことを運ぶこともできる。
しかしその場合、4歳児の「食べたい!」という気持ちの高ぶりを抑えなければならない。
4歳児の説得。なんてメンドクサイ作業だろうか。
4歳児を説得するくらいなら、調理が多少寄り道したとしても、彼の思い通りにさせたほうがいい。
それは教育的にどうかということではなく、ただただ自分がラクをしたい、それだけの理由なのである。
説得とやらせる、どちらがいいという話ではない。
私にとっては4歳児の説得より、ルウをかじらせるほうがラクだということである。
【なにしろ子育てにはタイムリミットがあるのだから】
どんな理由があろうとも子育ては2030年3月31日で終わらせる
寄り道して、満足
こうして4歳児は経験し、学ぶ。
なによりも、満足する。
満足するというところがポイントなのだ。
ルウをかじって一時的に寄り道をしたが、結果的に次の作業にスムーズに移ることができた。
やれやれ。

「自分のカレーは自分で作る」という主張をほっといたらこうなった。