具体的な文章
文章の中に具体的な数字が入るとイメージがしやすくなる。
A 駅から会社までけっこう遠いんで、イヤになるんですよ
B 駅から会社まで歩いて20分かかるんで、イヤになるんですよ
「遠い」と言ってもその感覚は人によってさまざまなので、あいまいな表現だと伝わりにくい。
あいまいな表現を、具体的な「20分」という数字にすることでわかりやすい文章になる。
数字に捕らわれる
ちょっと待て。
数字が入ると伝わりやすくなるというのは本当だろうか?
前述のとおり、「遠い」と言ってもその感覚は人によってさまざまだ。
あいまいに「遠い」と言っているうちは、受け手が自由にその距離を想像できる。
スンナリ受け入れることができる。
だが、具体的な「20分」を聞いたとたん、思考が捕らわれてしまうということはないだろうか。
私はよくある。
歩いて20分
例えばさっきの「駅から会社まで歩いて云々」の場合。
「20分はキツイよねー」
「えっ、あの距離なら20分もかからないでしょ!」
「この人にとっての徒歩20分って、遠いんだ‥‥」
数字によって具体的なイメージができるので、自動的になにかと比べる作業を始めてしまう。(たぶん自分の感覚と比べている)
そのおかげでいらぬところに引っかかってしまい、話のポイントを外してしまう。
言いたかったのはそこじゃない。
数字なんかないほうがいい
駅から会社までの距離は「遠い」のままでよかったのだ。
話すほうも聞くほうも、それぞれの「遠い」を好きなようにイメージしておけばよかったのだ。
「駅から会社までけっこう遠いんで、イヤになるんですよ」
「そりゃ大変だねぇ」
なんとなく吐き出し、なんとなく受け止め、なんとなく流れていく。
それでよかったのだ、この会話は。