前回までのあらすじ
カタログギフトで好きなものを選ぶ。
分厚いカタログには厳選されたいいものがありすぎる。
どれでもいいからこそ、決め手がなくて決められない。
そんなときこそ夫の出番。
論理的思考の持ち主である夫のサポートを受けながら、人生初のカタログギフトからラフランスを選んだムスコ。
母はサクランボを希望していたのだが。
カタログギフトでラフランスが選ばれた経緯↓
どっちでもいいからこそ決められない!甲乙つけがたいものに決め手を見つけるスゴい能力
ラフランス、来る
あれから1ヶ月ほどしてラフランスが届いた。
ムスコは大喜び。
浮かれて小躍りしながらさっそく箱を開ける。
箱の中には美味しい食べ方のパンフレットが入っている。
宅配の果物にありがちな「追熟」の説明である。
パンフレットによると、このまま常温で保存して、肩のあたりが柔らかくなったら食べごろ。
シャリシャリした日本の梨と対象に、バタリーペアとも呼ばれる洋ナシであるから、やわやわなのがいいのだろう。
肩が柔らかくなったらすぐに食べないと、追熟しすぎて残念なことになるんじゃないだろうか。タイミングが大事だよな。
とか、オトナの懸念をする私。

ラフランスの肩の部分が柔らかくなったときが食べごろ。
食べごろまで待ちきれない
ムスコにとっては待ちに待ったラフランスであるから、これから何日かかるかわかりゃしない追熟期間なんてまだるっこしい。
初めてのラフランスを早く食べたい。今すぐ食べたい。
食べごろは「肩が柔らかくなったころ」なのだ。
早く肩が柔らかくならないかな!
箱に詰められたラフランスを愛でながらジタバタするムスコ。
「ほらっ!もう柔らかくなったよ!食べていいっ?」
なんと、ラフランスの肩を揉んで柔らかくしやがった。
それも、腐ったかのようなブニブニに。
自由は止められない
肩のあたりが柔らかくなったら食べごろ。
じゃあ、柔らかくすればいいじゃん!
追熟の時間をも超える、情熱のなせる技。
こうなったらもう止められない。
そんなに食べたきゃ、自分でむいて食べりゃいい。
ガキンチョに未熟と完熟の違いなんて、誤差のようなものなのかもしれないし。
ムスコの力技を説得して正しい食べ方を教えるよりも、自分のやった結果を体験させる方がよっぽどラクだ。

母親がやってくれないもんだから自分で剥く。こうして勝手にできるようになっていく。