煙を吸い出すシステム
排煙設備というものがある。
煙を外へ吸い出すシステムだ。
分煙された喫煙場所にある、たばこの煙を吸うやつとか、焼肉屋さんの無煙ロースターなんかもその類。
火事で発生する煙は有毒なので、人が吸わないようにしなければならぬ。
そのために外へ吸い出すわけだが、建物における排煙システムの規模はタバコや焼肉の比ではない。
なにしろ建物内の空気を吸い出すのだから、その排煙機能といったらものすごいんである。
コンサートホールの空気を吸い出す
建物が大きければ大きいほど、強い吸い出し力が必要だ。
そもそも排煙設備は大型の建物に取りつけられるものである。
例えば、コンサートホールや会議室を兼ね備えた文化センター的な建物とか。
コンサートホールの空気を吸い出すとなると、その吸い出し能力がどれくらい必要だろうか。
よくわかんないけど、なんとなくものすごいってことだけは理解していただけるのではないだろうか。
で、そのものすごい吸い出し能力がどれくらいかというと、
吸いこまれ注意!
排煙設備を作動させると、グォォォゥとものすごい音で空気が吸い出される。
天井に作られた排煙口に、空気がどんどん吸いこまれていく。
室内のいろんなものが宙に舞う。もちろんメガネなんか飛んでしまう。
検査中にうっかり気を抜こうものなら、足を取られ、痩せた人なら排煙口に吸いこまれてしまうのだ。
そんな中で排煙機能の測定をする。
一番強く空気の流れている排煙口で風速を測る。
非常に危険を伴う作業である。
ピーヒャラピーヒャラ浮かれてなんかいられないのだ。
吐き出される側
吸う口があれば吐く口がある。
室内の排煙口から吸いこまれた空気は、ダクトを通って外の排煙口へ送られる。
吐く口は屋上あたりにある。
空気は、屋上に作られた排煙口からじゃんじゃん排出される。
この排出されるところでも風速を測定する。
こちらもうっかりしていると強風にあおられてしまうので注意が必要だ。
超大型台風の実況で、アナウンサーが強風を受けてヨタヨタしながらレポートしてる姿を見たことがあるだろう。まさにあんな感じ。
いやもうホント、軽く命がけである。
建築関係もやる会社
建物の面積によって、どのくらいの勢いで吸い出すかの数値が決められている。
そしてその吸い出し能力を検査するのが「建築設備定期検査」というやつ。
イグジットではこの手の検査もやる。
消防オンリーってわけでもないのだ。
「よっしー、そんなアブナイ仕事をやってるの!?」
と急に心配になってきた方もおられようが、この話は2.5倍ぐらいに誇張されているのでご安心ください。