
火事じゃなくても「消防署が来る」とき。
「消防が来る」とは
ちょっとした用事でお客さんのところに行ってたら、ちょうどこれから消防署が来るというではないか。
火事でもないのに「消防署が来る」のは、立入検査のためである。
立入検査とは雑に言うと、ちゃんとやってるかどうかの見回り検査。査察とも呼ばれている。
査察といえば
査察と言って思い浮かぶのは税務査察。
マルサによる強制調査で資料押収!となれば、段ボールに詰められた資料を職員が運び出す、あの印象しかない。
人によっては、それはそれは恐ろしい査察だろう。
しかし、マルサなんてたかだか税金。
カネの話でしかない。
消防の査察は、なんといっても人の命がかかっている。
だからマルサよりよっぽど厳しい。
消防査察に首を突っ込んでみる
消防の査察は、やんわりとしてはいるが強制である。
「今日はちょっと忙しいんで」なんつって断ったりできない。
そして、査察の結果ダメ出しされたら、ちゃんと改善・報告しなければならない。これ絶対。
さて。
くだんのお客さんは、つい先日イグジットが消防点検をしたばかり。
だからなにを聞かれても大丈夫!
なんなら私も立ち会って、大丈夫ぶりを保証しましょう!
という大義名分に野次馬心を隠しつつ、お客さんに許可をいただいて査察に同行した。
査察の結果
査察は厳しい。
厳しいから緊張する。
堅い表情で査察に立ち会う、建物の管理者。
同行する消防署員の中で一番年長と思われるオジサンがなにかと世間話を投げかけ、建物の管理者に気を回しているのがうかがえる。
しかし、調査の内容に関しては「ダメなもんはダメ」とハッキリ言って譲らない。
人の命がかかってんだから当然だけど。
厳しい査察の結果、「消防訓練の実施」という指摘があった。
消防訓練は、消防点検と同じように既定の頻度と回数でやることになっている。
そこですかさずオモシロ消防訓練をアピールする私。
「ちょうど先日、別のところでオモシロ消防訓練をやった様子がテレビで紹介されたとこなんですよ!ブログにも書きましたから、よかったらご覧ください!」
って名刺を配る。
関係者のような無関係者
ついこないだ点検したばっかりの建物で、まさにその点検をやった私がちょうど居合わせる。
こんな状況、なんとなく責任を感じる。
お客さんと同じで、査察では私も緊張する。
設備点検の結果については専門家として太鼓判を押しているわけだけど、消防署がダメと言ったらどうあったってダメなんだもの。
内心ヒヤヒヤだよ。
査察はあくまでも、建物の管理者と消防署との話である。
だから設備業者であるイグジットが立ち会う必要はない。
関係者のような顔をして同行したけど、ホントは無関係者だったのだよ。