大規模災害が起こったとき
大分市の製鉄所で発生した火災は、出火から30時間以上かかってようやく鎮火した。
報道によると、工場内に充満した煙の影響で消火活動が難航したとのこと。
所用があり、管轄の消防署へ行った。
出火から丸一日以上たっているというのに、いぜん署内は物々しいムード。
通信指令センター付近では、たくさんの書類を貼りつけたホワイトボードがいくつも並べられ、現場からのライブ映像が大型モニターに映し出されていた。
いつもは消防車が整然と並んでいる車庫は、ほとんど現場に出払っているのかガランとしている。
どう見ても赤じゃない乗用車に装備一式を積みこむ署員の姿もあり、非常事態ぶりがうかがえる。
一市民として、このタイミングで下手なボヤなぞ出さぬよう、気を引き締めるしだいである。
火災時の行動と心理
さてここで火災の話。
命に危険を感じるような火事に遭遇したとき、人はどのような心理状態になるのだろうか。
ふだんは落ち着いて判断・行動している大人でも、不安や恐怖によって本能や感情に基づく衝動的な行動をとるようになる。
火災のときの判断能力は、一説では5歳児並みとも言われている。
5歳児。
足元のおぼつかないよちよち歩きのころと比べると、だいぶ体力がついてバランスの取り方も上手になった。
着替えやトイレなど身の回りのことがひとりでできるようになる年ごろだ。
保護者としては、こんな教科書通りに順調に育ってくれてれば、それだけで御の字である。
しかしここで想定しているのは火災という非常事態。
5歳児並みになるという非常時の判断力を、わが家の5歳児でシミュレーションしてみよう。

この5歳児、消火器の扱いには慣れているのだが。
‥‥ムリだね。
迅速な通報・的確な初期消火・安全な避難。
どれもまるで期待できない。
次の手を打とう
命の危険を感じるような火災に遭遇したら、あなたも恐怖のとりことなり5歳児と化すのだ。
身近に5歳児がいる人は、ぜひこの機会に非常時をシミュレーションしていただきたい。
わが家にちょうどいい5歳児がいてよかった。
ちょっと脳内シミュレーションするだけで、もうムリってことがわかった。
じゃあどうする?って次の手を考えることができる。
ありがとう、5歳児。

たまご焼きは作れるのにぃ。