オトナの仕事
ゴキゲンはオトナの義務だ。
自分をゴキゲンな状態に保っておくことがオトナの仕事だ。
自分はなにでゴキゲンになるのか?
ゴキゲンを保つにはどうしたらいいのか?
自分をコントロールすることができるのが、オトナであるということだ。
どうしてゴキゲンでなければならないのか?
それは、不機嫌って周りに伝播していくものだから。
ぶんぶんぶるるん

ぶんぶんぶるるん(バイロン・バートン 作・絵/手島悠介 訳)
ロングセラーのこの絵本、ストーリーは実にシンプル。
1匹のミツバチが牡ウシのおしりを刺したところからトラブルが始まる。
トラブルって言ったって、最初はごくごく些細なこと。
でも刺されて不機嫌になった牡ウシは、牝ウシに八つ当たりをする。
八つ当たりされて不機嫌になった牝ウシは、今度はおばさんに八つ当たり‥‥。

妻から夫へ。読むたびに肝を冷やすシーン。
こうして、芋づる式に関係者が八つ当たりを広げていく。
不機嫌の連鎖だ。
ご家庭での例
こういった不機嫌の連鎖は、身の回りでよく起こる。
特に家ではよく起こる。
ちょっとしたことで私が機嫌を損ねると、たいていコドモがとばっちりをくう。
いつもならお小言を言われるほどでもないようなことで、必要以上に叱られる。
理不尽な叱られ方をするから機嫌が悪くなる。
その不機嫌で弟に八つ当たりする。
八つ当たりをくらった弟が大声で泣く。
その声で私がイライラする。
そしてふりだしに戻る
そう。
不機嫌の八つ当たりは、必ず自分に戻ってくるのだ。
八つ当たりとまでいかなくても、オカーサンが不機嫌であればコドモはそれを敏感に察して不機嫌になる。
不機嫌は不機嫌を生む。
現にこの絵本でも、不機嫌の八つ当たりは巡り巡って最初のミツバチに戻ってくる。
そして不機嫌なミツバチは牡ウシに八つ当たり、牡ウシは牝ウシに八つ当たり‥‥。
キリがないのだ。
ゴキゲンはオトナの義務。
自分をゴキゲンな状態に保っておくことをサボらないこと。
なんたって、それは自分のためなのだから。