クラッシックには変なタイトルがついている

クラッシックが好きで、ラジオでよく聞いている。
クラッシックの番組ではたいてい、静かな語り口のパーソナリティが曲の紹介をしている。
お上品な女性、または物静かな男性。

そんな落ち着いたムードのクラッシック番組だが、ときおり耳を疑うフレーズがまじることがある。
曲につけられたヘンなタイトルのせいだ。

どういういきさつでそんなタイトルになったというのだ。
好きだけど知識はない、そんな聞き流しているだけの私みたいなリスナーにとっては唐突でしかないヘンなタイトル。

ヘンなタイトルは、オペラやバレエ組曲の一部であることが多いようだ。
複雑なストーリーにからめられたタイトルなのだろうが、バックボーンがまるでわからない人間にとっては妙なフレーズが耳に残るばかりだ。
そんな、耳に残った唐突なフレーズをご紹介する。

「いやな天気だからもう森へは行かない」

(ドビュッシー作/忘れられた映像)

屋外活動は天候に左右される。
天気が悪いとき、主催者は断腸の思いで中止の決断をしなければならない。「もう森へは行かない」と。

イヤな天気とは一体どのような天気だろうか。
今日はもう森へのハイキングは中断しよう。そう思わせる、イヤな天気。

うっそうとした深い森をさらに陰鬱にするなら、雨まじりの野分(のわき)がぴったりではないだろうか。
勢いだけの夏の台風とは打って変わって、淋しさを含んだ午後の野分。
天気がよければ昼からちょっと森にでも行ってみようかなんて言ってたけど、こんな嵐じゃあねぇ‥‥なんてのがいい。

それにしても「いやな天気だからもう森へは行かない」だなんて、そのまんますぎる。
冷静すぎる。

「もう誰も寝てはならぬ」

(プッチーニ作/トゥーランドット)

ものすごい外的要因を感じる。
眠いのに寝かせてもらえないのがキツイのは、乳児をお持ちのオカーサンなら身にしみておられることだろう。
まるで不眠の刑。

この曲は、聞けばご存知のかたも多いだろう。
日本でもよくテレビCMなどに起用されている曲だ。
だから聞き流しリスナーの私でも、多少は内情を知っている。

結婚をネタにクイズを持ちかけられたお姫さま、その答えを民衆に求める。
答えがわかるまで「もう誰も寝てはならぬ」とのおふれを出す。
なんと非情な姫だ。
結局、なんだかんだで陥落されて結婚しちゃうんだけど。

「俺の尻をなめろ」

(モーツアルト作)

もう長年クラッシックのラジオ番組を聞いているが、この曲が登場した記憶はない。
なにしろこのタイトルだ。
お上品な女性パーソナリティに読ませるわけにはいかないだろう。

いきさつを調べてみたところ、どうやらホントにおケツをなめろと言っているのではなく、原題は「消え失せろ」とか「おとといきやがれ」みたいなニュアンスの言い回しらしい。
それをストレートに訳しちゃった結果がこれ。

クラッシックは王族とか貴族とかのパトロンの依頼で作られた曲が多いのだが、この曲はそうではない。
仲間内で大騒ぎするとき用に作られた曲であるらしい。

この曲が好きで聞きたくてラジオ番組にリクエストしても、そのリクエストは却下されそうだ。
聞きたい人はググったほうが早い。

ひとりのときは好きな曲をかけている会社

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