末っ子の食べかた
いちごをひと箱いただいた。
そしたらわが家の3番目の子どもである末っ子が、こんな食べかたをしやがった。

犯罪レベル。
末っ子の特長は、「甘えんぼう・無責任・めんどくさがりや」などとよく言われるが、あながち間違ってはいない。
この食べかたにそれがあらわれているではないか。
いちごのおいしい食べかた
いちごは、ヘタのほうから食べるといい。
甘味の少ないヘタの部分から食べ始めて、一番甘味の集まっているとがった部分を最後に味わうのだ。
いいところは最後のお楽しみに取っておく。
これがいちごのおいしい食べかたである。
ところがわが家の末っ子は、それをさらに上回るおいしい食べかたをしたわけだ。
お楽しみを盛り上げるためにヘタの部分を先に食べる。その「あえてガマンする」というのをバッサリ切り捨てた食べかた。
珠玉のいいとこだけを取る、セレブな食べかた。
ある意味盲点である。
そして、残った部分については一切の責任を取らない。
放置して逃走したっきり。
ムスメ商店の食べかた
対する長子・ムスメ商店はどう食べるか。
ムスメ商店のいちごを見ると、まるっきり末っ子の逆バージョン。
彼女のお皿の中には、ヘタの部分をかじられたいちごがたくさん入っている。
つまり、甘味の集まった先っちょいちごばっかり。

「好きなもの・いいもの」をあとから楽しむ派。
長子の特長としてよく言われるのが、「マジメ・がんばり屋・なのに要領が悪い」。
ここでも食べかたにそれがあらわれている。
いちごのおいしい食べかたを知ってからというもの、マジメにそれを守っているのだ。
味のパッとしないヘタの部分、それを最初に集中的にやっつける。
最後のお楽しみを最大限にするために、がんばるのだ。
甘いところは最後まで大切に取っておく。
今こうしてガマンしているのは、あとから甘~い部分を存分に楽しむため。
お楽しみのためならどんなことでも耐えられる。
それがマジメでがんばり屋の長子だ。
そして、大切にとっておいた先っちょコレクションを末っ子に取られるのも、長子。