「傷病者、発見!」
「周囲の安全、よし!」
「聞こえますか!?聞こえますかっ!?」
「通常呼吸、なし!」
理屈はわかるけど、いきなりそんな堅苦しいセリフ、言えないよ。
ましてや大声でハッキリだなんて‥‥ねぇ奥さん。
未然の対策に必須な「想像力」
そんな、ちょっと気恥ずかしい思いをする救命講習。
頭ではわかっているけど、ぽかんと口を開けた薄オレンジ色の人形を相手に緊急事態を演じるのはなかなかハードルが高い。
だけどどうだ。
これがもし、わが子だったら。

ぐったりしているわが子を発見!
これはわが子だ。
意識を失っているわが子。
そう思うと、とたんに膝がふるえてくる。
体重をかけてテンポよく胸骨圧迫をするなんて、とてもできない。
やばい。目に涙がにじんできた。
気をしっかり持たなくちゃ。
妄想スタート!

ぐったりするわが子。
ちょ、これヤバくねっ!?
お父さんっ、ちょっと来て!
ど、ど、ど、どうしよう!
これ、救急車、呼んだほうがいいパターンかなっ?
想像以上の効果
薄オレンジ色の人形をわが子に置き換えるだけで、この体たらく。
救命講習はもう3度目だというのに、こんなにうろたえるとは思ってもみなかった。

「お願いです!どうかうちの子を助けてやってください!」
どうせ訓練するなら、いかにもありそうな、リアルなシチュエーションでやったほうが身が入る。だれですか、「縁起でもない」とか言っているのは。

救急隊が到着したのですべてを託す、というイメージ。
リアルが過ぎる会社
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