私の住む大分市には新日鐵住金という会社の製鉄所がある。
大分港に面した臨海工業地帯に700万㎡以上の敷地があり、そこで年間生産される鋼鉄は国内生産の1割に当たるという。
こんだけ大規模な製鉄所であるから、その及ぼす影響もなにかと大きい。
やれ煤塵だニオイだ。事故だ火災だ。
雇用とか経済効果とかの恩恵だっておおいにあるはずなんだが、どうしてもマイナス面が表に出てしまいがちなのは否めない。
そんな新日鐵の製鉄所に、私の心をとらえて離さない煙突がある。

ひときわ高くそびえたつ第二高炉の煙突。
周辺に点在する、シンプルな棒タイプの煙突や赤白に塗られた小ぎれいな煙突に比べたら貫禄が違う。
このキリンの足のような、すすけた煙突がたまらなくいい。
なにがいいって、いかにも悪いものを空に吐き出してそうなビジュアルがいい。

一般人が最大に近寄れるのは西中浜の交差点あたりまで。
実際、この煙突がいかほどのものを吐き出しているかは知らない。
このご時世だもの、そこまでヒドイものは排出してないと思うけど。
この煙突、第二高炉というらしい。
2004年の改修によって世界最大の高炉となったとか。
世界最大の高炉がすぐそこにあるというのも、いいなぁ。
そしてぜひ、GoogleMapも見てほしい。
鉄さび色に染まる敷地。
これこそ、ザ・製鉄所。
ターミネーターとかロボコップとかの、近未来SF映画を連想させる。
職場からほんの1.5kmのところに、あの緑地帯の向こうに、こんな異次元のような景色が広がっているとは。
そのギャップもたまらない。

イグジットからの眺め。好きなときにいつでも見られる。