ゴーヤーは苦い。
身震いするほど苦い。
苦いから苦手だ。
ずっと以前に切れっ端をかじって以来、敬遠している。
反面、ヘンなプレッシャーも感じている。
大人のくせにゴーヤーぐらい食べられなくてどうする、みたいな自分の不甲斐なさというか。
私にとって、ゴーヤーはなんとなく気になる植物である。
繁ったゴーヤーが日除けになるという点も気になっている。
そんな私に朗報が届いた。
熟したゴーヤーはさほど苦くないというではないか。
緑色のうちは苦いが、オレンジ色になるまで熟したものはそこまで苦くないという。
ホントなのか?
そんなわけでこの夏、庭にゴーヤーを植えてみた。
初めてのゴーヤーなので恐る恐る、庭の隅にひと株だけ。
さすが、緑のカーテンになって省エネにひと役買うだけある。
あっという間にモッサモサ。
そして次々に実がなった。
そのうちオレンジ色に熟し、緑のカーテンから自己主張するようになってきたので収穫してみる。
実はプヨプヨと柔らかい。
さっそく切ってみよう。
こういうことには、気性のよく似たムスコが付き合ってくれる。
持つべきものは好奇心旺盛な男子。
うえっ!
なんだこの真っ赤なワタは!?
キドニービーンズの煮物?
まるで生魚の内蔵みたいにヌラヌラとしている。
ゴーヤーのワタって、熟すとこんな色になるの!?
ふたりでギョッとする。
まぁいい。
生の内蔵のようなワタを食べるわけではないのだから。
勇気をふるってひとカケラ、口に入れてみる(ムスコが)。
‥‥うえっ!苦っ!(ムスコが)