末っ子の通うこども園では、毎月の給食メニュー表が配布される。
もらったメニュー表を壁に貼っているが、見たり見なかったり。
メニュー表を見るのは、夕食のメニューがマンネリ化したときと、気が向いたとき。
今日は気が向いたのでメニュー表を見てみた。
謎の2大メニュー
どうやら今日は、月に一度のお誕生会の日。
特別メニューのようだ。
メインは皿うどん。
あのパリパリの揚げ麺に、肉や魚介・野菜の入ったあんがかかってるやつだよね。
とろみで麺がふやける前にパリパリを楽しめる、ひと皿で2度おいしいやつ。
食事なのに、ベビースターラーメンのようなお菓子感があるのがいい。
サイドメニューはひかど汁とはとし。
ひかど汁?はとし?
なんだそれは。
ひょっとして、誤字なんじゃあるまいか。

左から時計回りに、皿うどん・はとし・ゼリー・ひかど汁。
こども園では、子どもたちがその日に食べたメニューの実物が展示される。
保護者に向けた情報公開の意味もあり、夕方まで置いてある。
盛り付けや量の参考になるので大変ありがたい。
ちなみに、乳児クラスでは離乳食の実物が展示される。
ひかど汁とはなにか?

とろっとした感じの汁物。
「ひかど」とはなにか?
調べてみると、どうやら長崎の郷土料理であるらしい。
長崎と言えば南蛮文化。
ご多分に漏れず、「ひかど」もポルトガル語のPicado(細かく刻む・調理する)という言葉からきているようだ。
宣教師から伝わり、禁教令の影響を受け、庶民によるアレンジが繰り返され、もとのポルトガル料理とはずいぶん様変わりしているに違いない。
現代のひかど汁は、すりおろしたサツマイモでとろみをつけた具だくさんのスープ。
「豚汁+サツマイモのとろみ」と思っていただければだいたい正解枠なんじゃないだろうか。
さとしとはなにか?

春巻きの皮に包まれたボッテリ感のあるなにか。
ここまでくれば謎の「さとし」にもおおよその見当がつく。
皿うどんとひかど汁。
今月のテーマはズバリ、長崎料理なんじゃありませんか、先生っ。
「さとし」で検索したって、出てくるのはポケモンのサトシか大野智か妻夫木聡。
長崎に限定して再検索してみると、「ハトシ」がヒット。
食パンにエビのすり身を挟んで揚げた卓袱料理。
中国発祥と言われているハトシは、中国語の「蝦多士(エビトーストの意)」そのまんま。
給食では、食パンを春巻きの皮に変えて作ってあったと見える。
甘系じゃなかったのか。でもウマそうだ。
未知の郷土料理
教育現場が食育に力を入れているせいか、給食に郷土料理が登場することがよくある。
地元の食材を使った料理だけでなく、よその土地の料理も登場する。
インターネットが普及して情報がいきわたりやすくなったとはいえ、地方には独特の文化があり、広く知られていないものもまだまだたくさんあるのだな。