その道のプロである専門家が、一般人の質問や問い合わせに応えるときには最初これを付け足そう。
「雑に説明すると、」
専門家の悪いクセ
専門家は、当然ながら一般よりも知識が豊富である。
豊富な知識を持っているがゆえに、ちょっとした質問にも全力で答えてしまう。
あなたも専門家なら、心当たりがあるだろう。私は大いに心当たりがある。
好きなことだから大いに語りたい。
難解な専門用語をわかりやすい言葉にしてあげたい。
自分のうかつな返答でこの業界への誤解が生じてはならぬ!なんて、熱い気持ちもわいてくる。
正確なところを伝えたいと思うあまり、やけに詳しいところまで深入りして文献を読み漁るハメに、なんてこともしょっちゅうだ。
調べ始めると知らない情報に出合い、さらに沼にハマってゆく。
抜粋でいい
すべてを教えてあげたい。
しかし相手は素人。すぐにお腹いっぱいになってしまう。
こちらからしてみれば、こんな少ない情報でちゃんと理解してもらえるんだろうかと不安になる。
そんなときは、はじめに「雑に説明すると」という前置きをつけてみよう。
そうすると肩の力が抜けて、ラクに説明できる。
最初に「雑に」って言ってしまってるので、誰も正確さを要求してこない。
誤解の生じる余地がないのだ。
似たような言葉に「ざっくり」というのがある。
これも専門知識の抜粋といったニュアンスだろう。
「雑に」を前提として説明すると、受け手側もラクに受け止めてくれる。
正しく理解してもらえるんだろうかというこちらの心配は杞憂。
むしろ「この知識で知ったかぶりができる!」なんてオモシロがってもらえたりする。