前回までのあらすじ
【バー・ムスコ】まさかの盲点!研究開発中に浮かび上がってきた決定的な弱み
よその子ども社長に影響を受け、商売を再開したバー・ムスコ。
金払いのいいオカーサンをターゲットに定めて順調に稼ぎ始めた。
イタリアの赤いリキュール・カンパリを1瓶仕入れて、毎日のようにオカーサンに売り込んでいる。
家に帰ってまっさきにかけられるひと言は、カンパリ瓶を掲げたバー・ムスコの「今日も呑む?」だ。
小学生にとって1,500円の瓶は大きな投資だが、オカーサンが予想通りに買ってくれるおかげでオトーサンからの融資もあっという間に返済し終わった。
ここからあとは儲けばかり。笑いが抑えられないバー・ムスコ。

オランジーナで割ってみる研究。
さらに儲ける方法
融資返済が完了したら、オトーサンへの入金はない。
せっかく順調にいっているバー・ムスコの商売だもの。関わりを持って自分も儲けたい。
と思ったかどうかは知らないが、オトーサンがバー・ムスコに入れ知恵をした。
前売り制の導入だ。
5回分まいうりけん
1まい700円
1杯150円で販売していたカンパリソーダを、5回分の前売り券にして売り出した。
これなら1杯140。
オトーサンの入れ知恵とはいえ、これはオモシロい展開になってきたじゃないか。

ムスメ商店による訂正(下段)が入る。
でもさ。
母親だからわかるけど、これはまったくバー・ムスコらしからぬやり方だ。
先にお金をもらっちゃったら、売る方を忘れちゃわない?
展開はオモシロいが、カンパリソーダにありつけなくなるのはオモシロくないぞ。
狙われるスタートアップ企業
前売り券を販売し、手っ取り早く700円を手にしたバー・ムスコ。
前売り券を購入したのに都合が悪くて飲めない日が続くオカーサンは、このままでは前売り券の効果が自然消滅してしまうのではないかと気が気じゃない。
ムスコよ、700円はあぶく銭じゃないんだ。忘れるなよ。
そんな母をよそ目に、姉・ムスメ商店が新たなビジネスを思いつきバー・ムスコに持ちかけている。
「その中古のカンパリ、わたしが1,000円で買い取ろうか?」
買収だ。
1,000円で買い取ったカンパリを、ムスメ商店は一体いくらでオカーサンに売りつけるつもりなのか。
カンパリの残りと買収価格、そして自分の儲け。それらはすでに彼女の頭の中で計算されているに違いない。
わがムスメながら恐ろしい。
好きなやり方
だけどバー・ムスコは、周到な計算よりも、呑む人を楽しませたいタチ。
あと、複雑な計算をメンドクサがる傾向もあるので、ムスメ商店の持ちかける買収話には乗らなかった。
そっと胸をなでおろすオカーサン。
ムスメ商店と同じく、儲けを叩き出すことに魅力を感じるオトーサンからのアドバイスで導入した前売り券だが、これもバー・ムスコにとってはあまり響かなかったみたい。
「やっぱり少しずつでも、毎日チャリーンってもらうほうがいいな」とバー・ムスコ。
なにしろいっぺんにたくさんのお金を手にすると、すっかり気が大きくなってついついパーッと使ってしまう。
それを元手にもっと大きな仕事をする、というタチではないのだ。
やってみてわかる自分の好み。
これって「規模の小さな経営ごっこ」だなぁ。
ごっこは、どこまでも本気でやるのがオモシロいね。

すかさず、自分のついで商品を販売するムスメ商店。
ムスメ商店が猛烈に本領を発揮する続編→強みを活かしたサービスで顧客満足度を100%に引き上げる