イグジットでは、社内に安全な環境を作ろうとしている。
安全な環境とは
ここで言う安全な環境とは、事故やケガがないことではない。(もちろんそれは必須だが)
なにを言っても聞いてもらえるという安全のことだ。
誰がなにを言うのも自由。
イグジットでは、入社したばかりの社員が経営方針に意見を述べることができる。
というか、意見がない状態がありえない。(「よくわからない」も意見である)
聞く方は、誰がなにを言ってもいいという前提のもとに話を聞く。
どこからなにが出てきても「ほほぅ」と身を乗り出して聞く。
余談だが、あえて言わないことを選択するのも本人の自由である。
したがって、「言えない」という他責な言い訳はまるで通用しない。
とは言うものの
安全な環境は、実際に取り組んでみるとなかなか難しい。
そりゃそうだ。
さっきの極端な例のように、新入社員が経営に意見するなんて、どれだけ「言ってもいいよ」と促されても言えるわけがない。言うわけがない。
なぜ言っていいのか、なぜ言うべきなのか、言うとどうなるのか。
まずは安全な環境の効果を理解してからでないと自由な発言は出てこない。
お互いに信頼してないとダメなのだ。
そのためにイグジットでは根本会議とでも言うような、ハラを割る場をしょっちゅう設けている。
とにかく試行錯誤の連続である。
地雷地帯に口をつぐむ
私は今ある場所で、気心のしれないメンバーとひとつのプロジェクトに取り組んでいる。
こう言っちゃナンだけど、これがまたちっとも安全ではない環境だ。
ふだん比較的安全な環境で活動している私にとって、この場は地雷だらけのように感じる。
お互いが顔色を伺いながら、出方を見ながら、手探りで話を進めている。
手探りで進めている案件の中には「もっとこうしたほうがうまくいくのでは?」というものもある。
だけど、お口にチャックだ。
ここだけの付き合いで地雷を踏むなんてまっぴらだ。
地雷の影響は一瞬ではない。
今はとにかく地雷地帯のプロジェクトがつつがなく終了するのを待つだけ。
結果はそこそこでいい。
実に消極的、ことなかれ主義だ。
このいやらしさ、自分でもイヤだけど、保身は大事。
他のメンバーはどう感じているのだろうか。
安全な職場
そういえば、以前の職場は地雷地帯だった。
仕事の基本は、決定権を持っている人のお気に召す模範解答を出すこと。
そして自分も、お気に召す模範解答を受け取る側だった。
なんか成果が出てたんだろうか、あのころ。
過去の地雷職場と今回の地雷プロジェクト、これらのおかげで安全な環境がどのくらい大事か、安全でない環境で出せる結果の限界、自分が価値を発揮できる場なんかについて痛いほどわかった。
- なにを言っても「ほほぅ!」と聞いてもらえる安全な環境
- その安全がどのような効果をもたらすのか
ハッキリ言って、安全な環境を作るのはラクではない。
信頼を積み上げるわけだから時間もかかる。
それでもやはり、じっくりと手間をかけて安全な環境を作っていきたい。