ついやってしまう心理
禁止されるとやりたくなってしまう心理現象のことを、カリギュラ現象という。
見るなとかさわるなとか、入るなとか強く押すなとか。

「押さないで下さい」と注意書き。
禁止は制止であり、ときとして不自由である。
人間、自由を奪われればストレスを感じる。
ストレスは解消したいと思うのが自然の法則。
かくして「閲覧注意」はクリックされ、「お手をふれないでください」は手垢にまみれ、「立入禁止」にひとが詰めかけ、「強く押すな」は押し破られる。
禁止の抑止力
禁止だけでは人を動かすことができない。
否定的な命令に従うのは誰しも不快なものだ。
反発心が生まれ、その障害に立ち向かおうと決起する。
「強く押すな」と言われたら最後、強く押すことしか考えられない。
弱く押すとか軽く押すとか、ましてや押さずにいるなんて、もう考えられない。
押すとどうなるのか、その先も気になる。
人を動かすもの
だがここに理由があったらどうだろう。
禁止するに至った理由が付け加えられていたらどうだろうか。
出窓に貼られた注意書き。
この「乗るな」には素直に従える。
ここに乗ることは禁止されている。
なぜなら、加重で床が割れるからだ。
ナルホド。
だったらここに乗るべきではない。
われわれはみんな、理由が欲しいのだ。
自分の行動に対する納得感が欲しいのだ。
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