一般人にはとうてい使いこなせない専門設備だと思われている消火栓。
消防署の人が使うものだと思われている消火栓。
消火栓は初期消火に使うための設備だ。
つまり、「火災発見!消火器はどこだ!消火栓はどこだ!」てなレベルで一般向けに用意されている設備である。
小難しく考えられているけど、仕組みは意外とシンプルで、使い方も極めて簡単。

よくある消火栓。
はじめに
消防設備とか言うから小難しく、敷居が高くなるわけで。
もっと簡単に考えよう。
消火栓なんて言っても、要するにあれだ。水まきホース。

そうそう、これこれ。
水まきホースを長く伸ばして使うとき、水の出るホースの先っちょと蛇口との距離ができてしまう。
だから「オーイ、水出してー」「ハイヨー」なんつって声を掛け合って2人がかりでやるとスムーズにいく。
消火栓の場合
消火栓も同じ理屈なんだよね。
それがこれ↓
ホースの先っちょを持っとく人と、蛇口の栓をひねる人。
この2人による共同作業が消火栓での放水というわけ。

扉の中身はこうなっている。
それぞれを見てみよう。

ホースの先っちょがこれ。

「蛇口の栓をひねる」の部分がこれ。
ポイント
いくら「消火栓は水まきホースと同じ」と言ったって、当然ながら違いはある。
使うときのポイントは2つ。
ポイント① 水スイッチをONにする
普通の水道なら、蛇口の栓をひねればすぐに水が出る。
しかし、消火栓は非常用の消防設備。
水が即出るようにしといたらやっぱちょっとアレなので、もうひと手間が必要な仕組みになっている。
それが水スイッチ。(正式には「消火栓ポンプ起動スイッチ」)
これがONになって、はじめて水が出る。
水スイッチは、みなさんがよくご存じのこれ↓

「強く押す」の下に「消火栓連動」って書いてある。
これを強く押すと、どこかにある消火栓ポンプが起動して水が送られてくるわけなんだけど、今日は詳細を割愛する。
ポイント② ホースを伸ばす
ぺったんこの状態で保管されている消防ホース。
水を送るとパンパンにふくらむんだけど、途中で曲がると水が流れなくなってしまう。
だから、ホースはなるべくまっすぐに伸ばして使うのがよい。

よい例。

悪い例。
ホースは15mだとか20mだとか、そういう長さ。
となると、「すぐそばが火事のときはどうするの?」みたいな疑問がわくかもしれないが、今日は返答を割愛する。
まとめ
いくら「消火栓は水まきホースと同じ」と言ったって、はじめてでいきなりサクッと使えるわけがない。
水圧も水量も、水まきホースとは段違い。
ホースの重さやノズルの形状だって違う。

マンションでの放水訓練。
だから訓練が必要、っていう模範的なオチにたどりついてしまった。
【あわせて読みたい、使ったあとの片づけ】
「消火栓の中のホースを全部出すとどうなるか」をやってみる