火災感知器の信号を受信機がキャッチして警報が出ることをハッポーという。
漢字で書くと発報。
発して報じる。
警報関係の業界だったら使うんじゃないかな。
ハッポー。
一般現象を表す専門用語
この言葉、一般的にどうなのだろう。
ハッポーなんて言葉、私は消防設備業界に入り、なおかつ現場に出てから初めて聞いた。
しかし、センサーが反応して警告を出すなんて状態はよくある話だ。
台所のガス警報がそうだ。
警告レベルでなくとも、お知らせぐらいだったらもっとたくさんの事例がある。
「センサーが感知してお知らせする」ことを、一般的にはなんと言うのだろうか。
ハッポーに慣れてしまった今では、もうわからなくなってしまった。
ハッポーが意味するもの
私がまだ素人だったころ、ハッポーと言えば八宝だった。
言わずと知れた、八宝菜のハッポー。
肉やシーフード、そしてたくさんの野菜。
それらを炒めて、とろみあんで仕上げたものが八宝菜である。
八宝菜にはゆでたウズラの卵が必須だ。
少なくとも、私が食べていた給食の八宝菜はそうだった。
八宝菜の中のウズラの卵は、なんとも貴重な存在であった。
配膳された自分の八宝菜にウズラの卵が入っていなかったことにショックを受け、帰宅して台所のテーブルの下でスネていたことがある。
八宝菜の中のウズラの卵はそれくらい重要なアクセント具材なのだ。
もうひとつのハッポー
消防点検の現場に出て初めて耳にしたハッポー。
ベテラン消防設備士の夫にとっては今さらなんということもない言葉なのだろうが、私には相変わらず違和感があるハッポー。
八宝菜にまつわる切ない過去がよみがえるから、現場のハッポーになじめないのだろうか。
いやいや、それだけではない。
ハッポーは鳩時計の音に似ている。
毎時ちょうどになると、小窓から鳩が出てきて時刻の数だけ鳴く。
ハッポー、ハッポー、ハッポー。
3時だ。
そんなことを思いついてしまったら最後、ハッポーなんて笑いをこらえながらでないと言えやしない。
マジメに真剣に火災感知器や受信機と取り組んでいる夫には悪いけど。
ハッポー、ハッポー、ハッポー。