大きな災害を経験するたび、我われは防災について考えを深めてきた。
研究が進めば、それに応じた新しい概念が生まれる。
そして、それまで気にもしていなかったことをちゃんと考えるようになる。
「女性目線の防災」なんてのも近ごろ言われるようになってきた。
女の備え
例えば防災グッズ。
必要なものは人によって違う。
だから自分なりにアレンジしないとイザというときの役に立たない。
女性はなにを準備しておくべきか。
止めようがない体のシステムに生理用品、お肌のケアに基礎化粧品、メイクは無理でもアイブロウペンシルだけは。
「生きるか死ぬかってときに生理だの化粧だの、これだから女は」というのは男の意見。
必要なものはそれぞれ違うのだから、別の生き物である男の意見に従わねばならぬ道理はない。
いる!と思ったら揃えればいい。自分で。
というわけで女性目線の防災に興味をもち、いろいろと情報を集めている。
これまでの固定観念を捨てて自分のために備えるのは、実にすがすがしくて自信になる。
「おひとりさま女性のための防災グッズ」を参考にして追加したもの・しなかったものまとめ
専門外のグッズ
そんな中、思ってもみなかったグッズに出会った。

エッセンシャルオイル(精油)
ふだんの暮らしで無香料を選んでいる私にとっては衝撃的な備えである。
ここらへんの分野に関する私の意識は、「アロマやら精油やらセラピーやら、なんかいろいろと効くらしい、というのをうすうす聞いている」ぐらいのもの。
だけど、これは東日本大震災を体験した人の声を元にセレクトされている。
傷のケアからココロのケアまで。
非常時に重宝する精油のサバイバル力に注目。
安心の1瓶をリュックに。
本文を読むと、あくまでも非常時の使い方としてはいるが、実にさまざまな利用方法が紹介されている。
だったらちょっと試してみようか。
実際どうなの?
この本で紹介されているのはティートゥリーというやつ。
虫よけのようなスーッとする香りがする。
インフルエンザにも立ち向かえるほどの、やけに強力な殺菌作用があるらしい。
心理的な効能は、前向きな気持ちになれるとか、不安を和らげるとか、非常時にはいいことづくめ。
どちらも実感していないから、実質的な効果についてはなんとも言えない。
非常時にあられもなくごったがえする避難所はいろんなニオイがするだろう。
ニオイのストレスがちょっとでも解消するのなら、悪くない。
ただ、香りの感度や好みは人によってさまざまなので、周囲がどのくらい影響を受けるのかが心配。
この本では「ナチュラル系の香りだから、周囲に漏れても香水のような好き嫌いがない」と書かれているが、どうだろう。
みんなの不安が和らぎ前向きな気持ちになれりゃいいけど、よそんちの洗濯物の洗剤フレグランス問題が取りざたされることを考えると、疑心暗鬼ではある。