読書感想文はこう書く!
世の中の関心が読書感想文に集まっている、夏休み終盤のこの時期。
「どの本にしたらいいのかわからない」
「なにを書いたらいいのかわからない」
わからないからとりあえず放置して、夏休み最終日を迎えるお子さんもいるだろう。
かくして「読書感想文の書き方」が検索され、「読書感想文教室」が盛況となる。
推薦図書を物色するため、図書館に駆け込む子もいる。
私も子どものころ、読書感想文に苦労した。
「どう書けば正解なのか」を探りつつどうにか書き上げた感想文は、当たり障りのないつまらない文章だった。
読書感想文なんて、もっと自由でいい。
読んだときの気持ち、その本に出合ったときの気持ちを素直に書こう。
学校の先生が喜ぶ「正解」を求めるから、文章が果てしなくつまらなくなってしまうのだ。
というわけで日ごろから自由にブログを綴るようになった私が、読書感想文を書いてみたのでご紹介したい。
自由な感想文の例
やばい!
長かった夏休みも明日で終わってしまう。
宿題はすべて終わらせただろうか。
ヒヤリとしながら確認してみると案の定、ひとつだけ宿題が残っていた。
よりによって読書感想文。
とにかくすぐに取りかからなくては。
と言っても感想文に適した本が手元にない。
あるのはこれだけ。

一番手近にあった。
幼児向けのこの本を選んだのは、そんないきさつからだった。
興味があるとか気に入っているとかではなく、たまたま。
表紙には、「ぜったいにおしちゃダメ?」というタイトルと謎の赤いボタンの絵。
禁止されるとかえってやりたくなる、そんな心理が働いてしまう表紙。
この赤いボタンはいったい何なのだ。
絵本を開くと、紫色をした謎の怪物が「このボタンをおしちゃダメ」とルールを念押ししてくる。
そのくせ中盤では「おしちゃったらいったいどうなるんだろう‥‥」とこちらの気を引き、あろうことか「ちょっとだけおしちゃいなよ!」となどと誘惑してくる。
最後まで「おすな」「おしちゃえ」の行ったり来たりで、ムズムズすることこの上ない。
フラストレーションがたまるばかりで、実にあと味の悪い絵本である。
幼児たちはページをめくるたび、紫色の怪物の誘惑にまんまと乗っかり、謎の赤いボタンの絵を押しまくるのだろう。
となると、この絵本は、いっそ仕掛け絵本にした方がいいのではないだろうか。
「押す」と言えば、「強く押す」の非常ボタン。
あのボタンを組み込んだ仕掛け絵本にするのだ。

(イメージ図)
冒頭で語られる「このボタンをおしちゃダメ」などというルールは即座に破られるに違いない。
この本が出版されて書店に平積みでもされたら、一番上のサンプル品がガシガシ押されるに決まっている。
やばい。
試作品を作りたくなってきた。
長かった夏休みも明日で終わってしまうというのに、これから課せられてもいない自由研究(あるいは工作)が始まりそうだ。
まとめ
これで400字詰め原稿用紙に軽く2枚分。
夏休みの読書感想文として適度な分量ではないだろうか。
どうだ。
読書感想文どころか、新たな自由研究(あるいは工作)が始まるではないか。
学校のスケジュールに縛られることのない長い夏休み。
そんなときぐらい思いっきり自由にすればいいのだ。
とは言え、これをコドモズに提案したら「こんなのダメに決まってる」とバッサリなんだろうな。